悪者扱いのco2に光。資源としての価値

環境化学&繊維業界

SDGS投資への関心。高まる

環境、そして人権問題に配慮した企業に向けて積極的に投資を行うSDGSへの関心が高まっている昨今、地球環境によろしくないことをしている企業に対しては投資を控えるなどという動きが起きています。

このような時代の変化に敏感に対応したのが化学業界。化石燃料をベースにしたビジネスだけにやり玉に挙げられやすい。

SDGSの他にも次期大統領候補のバイデン氏がパリ協定への復活を表明するなど世界的に環境への配慮がより一層求められることは確実です。

減らすのではなく使い倒すという新発想

環境に悪影響を及ぼすと言われているCO2。排出量の削減に向けてクルマから電力など様々な分野で削減の取り組みがなれています。

CO2を減らす努力は必要ですが、これを再利用してみたらどうかということで化学業界があれやこれやと研究開発を進めています。

CO2を原料とする高性能プラスチック。旭化成

自動車のヘッドライトカバーや新幹線の窓などに利用される高性能プラスチック「ポリカーボネート」をCO2を原料にして既に製品化。

2002年に合弁会社を立ち上げ、既に20年近い実績があります。各国でライセンスビジネスなども展開し、今では世界シェア20%。CO2をきっちり有効活用しながら減らすという仕組みが確立されています。

さらにこの技術を一歩進めて、リチウムイオン電池の材料となるエチレンカーボネートとジチメルカーボネートを取り出す技術も確立したとか。

今後、電気自動車などでバッテリーの需要は爆上がりすること間違いなし。使い倒してCO2を減らすというサイクルがより一層深まっていくことでしょう。

メタン生成にCO2を利用。三菱ケミカル

様々な化学品の原料となるメタン。そもそもはアンモニア化合物のアミンに吸着させてCO2を回収していました。

これをCO2に水素を加えて、メタンを合成するというもの。これにより小規模な施設で対応できコストも削減できると期待されています。

メタノールを効率よく合成。住友化学

接着剤や合成樹脂などの原料になるメタノール。天然ガスや石炭ガスを原料していますが、これをCO2から生産する研究開発が進められています。

この研究が成功すれば、これまたCO2を有効活用しながら削減がより一層広がると思われます。

投資家の皆さんに届けばいいですけど・・・。

国内化学メーカーの取り組みは、これまでの単純に減らすというものではく、使い倒しながら減らすという攻めの姿勢が感じられます。

見方を変えれば原油もエネルギーとして使い倒しながら減らしていくという道をたどっているようにも見えます。

生ゴミだって単純に捨てるのではく肥料として再利用できる。それに近いものを感じた次第です。

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