国も後押し
日本の輸出産業と言えば、自動車と電機製品が柱でしたが、それだけでは外貨獲得はこの先不安。
てなわけで、食品業界の海外進出を後押しすべく様々な支援を打ち出しました。
農林水産省では海外進出に向けた研修会を開いたり、人材育成のサポート、専門家をつけて進出計画をサポートしたりなどなど。
既に海外進出を果たした食品メーカーの経常利益は国内のそれよりも高く有望な市場と目され期待が高まっています。
そんな政府の手厚い支援を受ける前から海外に進出し、奮闘中の事例をいくつかご紹介します。
学校作って文化を浸透。コーヒー
缶コーヒーで有名なUCCでは、本格コーヒーの導入あたり、コーヒーが学校を創設して食文化の浸透に取り組んでいます。
現地では、砂糖多め、ミルクたっぷりのコーヒーが主流でブラックコーヒーは一部の層に限られているのが現状。
そこで、試飲ではなく学校を創設して消費者との接点をつくり、コーヒー文化の面白さ、楽しさを伝える所から始めているのがミソ。
こうした地道な活動が将来、花を咲かせるのでしょう。
お国柄に合わせた製法。チーズ
チーズメーカーの六甲バターも東南アジアへの進出を果たした企業のひとつ。
国内では冷蔵による保存が一般的ですが、海外では常温による保存が一般的。
ので、常温でも保存可能なチーズを開発。お国柄の事情に合わせている所がミソ。
また国内でも販売しているスティックタイプのチーズをセット販売はもちろん、1本売りも初め売り方も現地に合わせている徹底ぶりです。
味付けをローカライズ。お煎餅
お煎餅で有名な亀田製菓は、味を現地にローカライズして取り組んでいる企業のひとつ。
はちみつで甘みを加え、食感もソフトにしたことが現地で受け人気を博しているとか。
食文化の浸透は地道な試食
カレールーでは国内では知らない人はいないほどの知名度を誇るハウスバーモンドカレー。
カレー文化のない中国で、まさにゼロからのスタートという中、地道な試食会を繰り返すことで黒字化を達せいしたとか。
試食会の回数は数十万回ととてつもない回数にのぼり、「カレーを人民食に」というスローガンが言葉だけではないことを物語っています。
海外で納豆が食べられる日が来るか
このように海外進出を果たした食品メーカーは、食文化の浸透、製法、味付けなどなど様々なカタチでローカライズしていることが見てとれます。
日本製品をそのまま持ってきたらはい終わりでは成功は難しいのですね。
海外で飲んだコカコーラーが妙に甘ったるくお口に合わなかったのも、今思えばローカライズしていただと気づきました。