一人勝ち状態のハンバーガー市場
コロナ禍で大打撃を受けた飲食業界の中、絶好調のハンバーガー市場。業界トップのマクドナルトの20年12月期の客単価がコロナ禍前の19年比で約17%アップ。テイクアウト需要でファミリー客が殺到したことが功を奏した格好となりました。
業界2位のモスバーガーは持ち帰り比率が6割だったのがコロナ禍で7割でも上昇。こちらもテイクアウト需要が全体の売上を押し上げる格好となりました。
こう見ると、テイクアウトというのがいかにこのコロナ禍において有用であったかがわかります。
マクドナルドは、これを好機と捉え、ドライブスルーの拡充を図ったり、新サービス、パーク&ゴーという取り置き、駐車場でピックアップというとんでもなくドライバーにとってはありがたいサービスまで投入。
かなり先を言っている感じがしますし、他業界も真似る所も出てくることでしょう。
ファミレス、居酒屋チェーンもレッドオーシャンに参入
このハンバーガー市場の好調っぷりを見て、ウチもウチもということで、この市場に参入する外食企業が続々と登場。
ファミレスのロイヤルホストは、フライドチキンバーガーを専門にしたお店を2021年5月にオープン。バーガー単品で500円ということから、マクドナルド、モスバーガーよりもお高めの商品となっています。
他にも居酒屋の鳥貴族は21年8月までにハンバーガー関連の店舗オープンを発表。
お一人様焼き肉のダイニングイノベーションでは既に都内にハンバーガー専門店をオープンしています。
鳥貴族、ダイニングイノベーション共に将来的には1000店舗の出店を計画しているようで、本気度が伺えます。
携帯業界よりも凄まじい寡占状態
このコロナ禍でハンバーガー業界で儲かると踏んだというのはわかりますが、果たして生き残ることができるのかが疑問。
この業界の市場規模は約7000億円と言われ、マクドナルドが約6000億円、モスバーガーが約1000億円。この2社でほぼ市場が独占されているという状況なのです。
ロッテリア、バーガーキング、ドムドムバーガー、フレッシュネスバーガーなどなど名の知れたチェーン店は多いのに、ここまで差がついていることには正直驚きました。
2強に最も近いと言われるケンタッキーでさえハンバーガー商品は苦戦しているとのこと。いかに新規参入組にとって厳しい市場であることがわかります。
とがった商品の方がむしろ際立つかも
恐らく大手2社と同じような商品とは考えてもいないでしょう。規模を追わずきっちりと利益を出す戦略かと思います。
ロイヤルホストのチキンに特化した商品は、商品コンセプトが明確でわかりやすい。ケンタッキーとチキンでかぶる点が気になりますが・・・。
フレッシュネスバーガーが今なお健在というのも、これから参入する企業には良きお手本になると思います。
肉厚・ジューシーなハンバーガーと弾力性があってモチモチのバンズ。そして一口でかぶりつくことはまず無理な大きさ。
マクドナルドのハンバーガーに慣れていても、ふとした時にフレッシュネスバーガー食いてぇと思い出せてしまうパワーがあります。個人的には。
この先、個性的なハンバーガーが増えることは期待しつつ、唐揚げ専門店のような戦国時代に突入すれば面白いことになるなと思った次第です。
○○受賞といった類の商品が続出するようになれば、大手2強を脅かす集団になるかもしれませんね。