完全養殖に挑戦。クロマグロ

マグロ外食産業

個人的には中トロ

お寿司の締めと言えば、中トロ。味の薄い白身から、ちょいと味の濃いコハダなどの青魚に行き、中間味のエビ。で、卵、穴子とやや脱線して、締めに中トロ。適度な脂身がとろけて、これは成功した人しか味わえない、プーアなリーマンの僕にとってはまずお目にかかることはないだろうと、接待を受けるたびにそう思いました。

今では、そんなありがたいお食事会に招待されることは皆無。必然的に最後にお寿司を口にしたのは数年前とかなりご無沙汰でありますが・・・。

マグロ

中トロが危機に瀕している

太平洋のクロマグロが世界的に激減しているとのことで、現在漁獲の規制がかかっています。

とにかくお金になるからでしょうか、激しい乱獲によってクロマグロが少なくなっているとか。

191年には、16万トンいた太平洋クロマグロが、いまでは1万トン台ということで、数字で見ると、その減少がいかにすごいことになっているかがわかります。

この漁獲制限、日本に限ったことでは世界的に敷かれている決まりごとで、日本の割当は1万7千トン。で、日本には都道府県が管理する沿岸漁業と国が管理する沖合い漁業者があって、日々の漁獲量の報告させるという徹底ぶり。上限枠に達したらそこで終わり。とにかく早いモノ勝ち状態となっているのです。

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天然モノから養殖へ

この漁獲制限は、天然モノに限ったことで、養殖については特に制限はありません。ので、水産大手がこの養殖に力を入れ始めています。それも完全養殖。完全とは親魚も養殖で育てたもので、2002年にあの近大が成功したようで、それ移行、徐々に完全養殖が広がりを見せています。

まず日本水産が、2018年度350トンの出荷をめざし、マルハニチロは民間企業として初めて完全養殖に成功し、15年から出荷を開始。2018年は、600トンのスッカを目指しています。

他にも極洋が、200トンの出荷を目指すなど、徐々に完全養殖のクロマグロが広がりを見せています。

とは言うものの、天然を含めた出荷量は約5万トン。3社合計でも、1000トンちょっと。完全普及までにはまだまだ時間がかかりそうな気がします。

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生存率アップが鍵

完全養殖の難しさは稚魚の生命力。卵から孵化して約40日後の生存率は3%。恐ろしく低いというのが現状です。

この難所をクリアできれば、道は拓けると思うのですが、日本の技術力を持ってしても、まだまだ生存率アップは高い壁のようです。

そう考えると、昔食べたあの美味しい中トロも、今ではとんでもない値段に跳ね上がっているんでしょうね。

今では絶対口にはできない金額とは思いますが・・・

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