コロナ禍でも強い。既存店売上前年超え
コロナ禍で壊滅的な大打撃を飲食業界。老舗のお店が閉店に追い込まれたり、失業者が最も多いのもこの業界。
そんな暗い話ばかりの中、モスバーガーはと来たら既存店売上高が前年超えと絶好調。
業界首位のマクドナルドも絶好調ですが、こちらはコロナ禍前からドライブスルーというテイクアウト装置が機能したことが大きな要因。
モスバーガーの場合は、優れた商品を矢継ぎ早にヒットしたことが好調の要因です。
矢継ぎ早の新商品がヒット。
モスバーガーの歴史を辿ると、モスバーガー、テリヤキバーガー、モスライス場バーガーと多くのヒット商品を生み、今もなお定番商品として多くのお客様に愛され続けています。
ところが、これらの商品以降に、これといったヒット商品を開発できていないという悩みが。
てなわけで、ライバル、マクドナルドに倣ってか、矢継ぎ早に期間限定の商品を矢継ぎ早に投入。
激辛バーガーに始まり、海老天七味マヨ、グリーンバーガー、とびきりベーコン&チーズなどなど。
どれも爆発的なヒットを生み、激辛バーガーから発売後2ヶ月弱で120万食を販売。
定番のテリヤキバーガーが月100万食。定番を脅かすほどほどの販売を記録しました。
これらの限定メニュー。SNS上では、「モスらしくない」といった声が多数寄せられ話題に。一見どうしたモス?と受け取られがちですが、これに開発手法を変えたことが、大きく影響しています。
プロダクト・アウトからマーケット・インへ
これまでの開発手法は、開発者がいい!という商品を市場に投入するプロダクトイン型。
これを市場のニーズを声聞き、商品に反映させるマーケット・インに変更したとか。
クルマ開発でも、よく議論されるネタですが、僕的には技術者が信じた商品こそがヒットする傾向にあると思います。
というのも、世の流行はすぐに廃れがち。トレンドにのかって商品開発したものの、既にそこには需要がないなんて事はよく聞く話。
一番ひどいのは顧客第一主義だと主張する声に押されて、商品がどんどん丸くなってしまい、一体この子のコンセプトは何?と身元不明になることが多々あります。
開発者へのリスペクトが成功の要因か
モスバーガーではマーケット・インに変更するにあたり、開発、マーケ、営業の横断的組織をつくり、新商品開発にあたりました。
開発者としてはこれまで、ほぼ口出しされずに商品を作っていただけにこの組織変更には後ろ向きだったはず。
が、モスバーガーの場合は、開発者へのリスペクトを大事に、例え合議制で商品開発を進めるも、味に関しては開発者を信頼して一切口出ししなかったとか。
激辛バーガーの開発でも、総責任者はコンセプトだけ伝えて、出てきた味に対しては開発者に任せたとか。
このプロダクト・インの要素を残した所が、今回のヒットに繋がったと思います。
とは言え、時代に合わせて変容
マーケット・インに変更して現在は絶好調のモスバーガーですが、必ずしもこの手法を続けていく訳ではなく、時に応じてプロダクト・インも活用していくという柔軟な姿勢を取っています。
それもモノづくりやのプライドとでも言いましょうか、おいしいハンバーガーづくりのプロが作るのですから、そこはいちファンとして信じています。
定番商品達もプロダクトインによる開発商品。今回のヒットを受け、この先、新たな定番商品が生まれることを切に願います。