特需をきっちり刈り込む
東京五輪まで1年を切り、イマイチ自分の中ではまだ実感は湧きませんが、ビジネスの世界では既に臨戦モードといった感じ。
この度、パナソニックが発表したオリンピック関連売り上げが、2015-2020年の累計で2000億円を超えるとのこと。
内訳は競技場に納入する映像、音響機器などの直接的な売上高が340億円、五輪向けの空港や、ホテル、商業施設向けの設備関連で1360億円。加えて五輪専用に生み出された売上が240億円とのこと。
特に注目すべき点は、設備関連と五輪専用関連。これが五輪後も継続的に利益を生み出すもので、それを見越した商売をしている点です。
本格的商売は五輪後
大企業ともなれば、さすがといった感じですが、ある意味、五輪はパナソニックの商品、サービスを世に知らしめる巨大なショールーム装置として位置づけている点です。
ので、あくまでも五輪はその先の将来を見据えたスタートであり、本格的なビジネスはそれからと位置づけている点です。
大型イベントに向けて頑張り、それではい終わりではなく、その先に重きを置いているのがさすがと言った感じがします。
協業先も戦略的
例えば設備関連事業では、施主やデベロッパーなど顧客になり得る訳ですが、オリンピック関連の都市開発にからむ上位企業に狙いを定め、協業を打診。
この戦略が見事にはまり、施設内のセキュリティシステムやエアコン、インターフォンなどは全てパナソニック製に。
2024年に完成予定の晴海の都市開発で大きな果実を得ることに成功しました。
電動椅子は五輪後も使えるよ
五輪専用分野に目を向ければ、電動車いすが挙げられるでしょう。
高齢者や身障者の移動を助けるものですが、五輪後も十分に社会課題を解決するものとして利用が進むと思われます。
他にも東京電力と開発を進めるデジタルサイネージも同様。歩道上に設置される配電地上機器に設置されるもので、これまた五輪後に爆発的に普及する感じがします。
メインスポンサーの特権をフル活用
このように五輪をビジネスにフルに活用するパナソニックの姿勢は、他のオリンピックメインスポンサーにとっても参考になるのではないでしょうか。
オリンピックともなればスポンサー料もとんでもない金額になるでしょうし、ペイできないともなれば意味がありませんからね。
1988年のカルガリー五輪から継続してスポンサーをしているパナソニック。毎回しっかりと利益を挙げているんでしょうね。でなければ、スポンサーを続けるのは困難でしょう。