サラリーマンの悲哀がてんこ盛り
東芝が不正会計に手を染め、社会からフルボッコ状態ですが、中の人の声をまとめた記事を読むと、サラリーマンの悲哀さがにじみに出ていて同情してしまう。
どの話も思い当たる節があり、そこで「私はこうして不正に手を染めた」をいくつか取り上ました。
仕入れを先送りして利益水増し
東芝の不正会計がよく使われていた手口が「検収シフト」というもの。例えばスーパーがりんごを10個山田農場から仕入れる。で、山田農場はお金ちょーだいと催促するのに、「いや、ちょっと今月厳しいから来月にしてくんない」と。となれば、仕入れはゼロでマルマル利益になります。
この「検収シフト」は最後の切り札で使われていたようで、前日までは赤字事業が翌日の報告書では黒字になっていたとか。即効性の高い技として、東芝社内では多用されていたようです。
まぁ、担当してみれば、後ろめたい気持ちでいっぱいだったんでしょうね。
研究開発費をケチる
未来への投資という意味合いが強い研究開発費。製造業にとっては生命線ともいえるのでしょうか、当時の東芝はとにかく目先の利益重視。てなわけで、研究開発費に割り当てた予算を抑制し、利益の水増しを図っていたとか。
サラリーマン社長なんかは、自分の在任中さえ良ければいいと設備の老朽化にも目をつぶり、生産性が落ちてもニッチもサッチいにもいかなくなる。そんな話にも共通する感じがします・・・。
原価付け替えのブラックボックス
設備の償却費、光熱費、人件費などの光熱費の分配による利益のかさ上げ。赤字事業のコストを黒字事業に付け替えて、赤字を黒字にする。なので、二重帳簿が存在するようで、その計算式が複雑すぎて誰もわからないというのだから、相当歴史ある作業だったことが伺えます。
どれも自分の生活のため
上からのプレッシャーが激しく「チャレンジ」の意味合いが「可能ならがんばろう」から「必達目標」に変容していった東芝。現場に近い上司から罵倒され、その上司も上から、頭使えなど皆の前でつるし上げられる。
どれも赤字事業は撤退という最悪の事態から逃れたいための一心で手を染めた感じがします。
この先、東芝はどうなるのか、今後の行く末を見守って行きたいと思います。