そもそもは腕時計から
2016年の世界的な家電製品のイベントCESにおいて、最優秀商品に輝いた腕時計。
これが電池不要で、その発電方法は温度差という今までにはない仕組み。
太陽光で電気を起こし電池不要というのは既に市場に存在しますが、こちらは全くの新しい発想。
んで、その勢いをかって第二弾の開発に着手。クラウドファンディングで資金調達をするも、瞬く間に当初予定した資金は集まり市場の期待の高さを裏付ける格好となりました。
第二弾は機能をさらに充実させ、GPSやらフルカラーディスプレイを採用しています。
温度差による発電とは
腕時計は、ある意味、人間の体温と外気に接しています。この温度差を電気に変えるというものです。
とは言え、この技術を実現するまでにはかなりハードルが高かった。
そもそも温度差発電なるものは知られていた技術だったものの、温度差を電力に変換する熱電モジュールとその生み出された電力を使えるレベルに変換するブーストが必要。
当然、その部品の性能が高ければ効率よく電力を生み出すことができますが、それが市場にない。といわけで、この会社で自社開発して見事成功。
こうして温度差発電腕時計が生まれました。
温度差発電の転用
この未来的な発電方法。太陽光や風力はどうしても天候に左右されがちですが、温度差発電であれば、そこまで大きくバラツキもない。
てなわけで、現在、この技術を発電所での使用を見込んだ実験がなされています。
発電所内には、タービンを監視するセンサーがあり、その数は数百レベルに達するとか。このセンサーに電気を送るとなると、配線やらバッテリー交換などでメンテナンスが非常に大変。
この課題解決に温度差発電利用の実験が進められているのです。
電源確保という問題
この発電所のように、何かと電気を扱うというのはメンテナンスにおいて非常に手間がかかるということを知りました。
全てがネットに繋がる社会ともなれば、関係するデバイスは無数にあり、その全てに電力が必要となる。それに合わせて配線、バッテリーも必要となってきます。
温度差発電が実用化されれば、配線もなくバッテリー交換もない。ほぼほぼメンテナンスフリーが実現できるかもしれません。
見た目も配線などありませんからスッキリしていて本当の意味でのスマートシティの実現ができるのではないでしょうか。
遭難した時にも大活躍
例えば山で遭難した時もスマホを肌に密着させて温度差を発生させれば、充電ができるわけで、そうゆう意味では、災害時など電力網が破綻した時でも効果を発揮するのでは。
万一の時にこそ、その効果の有り難みを感じるのではと思った次第です。