後出しジャンケンで泥沼
日立の原発建設の新聞を報道を読んで頭をよぎったのが東芝の原発失敗のお話。2006年前後だったかと思いますが、当時の東芝はそこまで原発に力を入れている会社ではありませんでした。
んで、WHが身売りに出されるということで、とりあえず買収しますと手を上げたレベル。他にも海外勢も買収に手を上げるとなると、政府からも海外勢にとられるなとばかりに軽いプレッシャーがかかり、当初の予算ちょいとオーバーする金額で東芝にほぼ内定が決まりました。
めでだし、めでたしと思いきや、そこで横槍を入れてきたのが三菱。そもそもWHとの関係は深く、原発の仕組みも一緒。もう1度チャンスをくれとばかりに、仲介会社に申し入れた所が、これがすんなりと通り、再試合となってしまいました。
驚いたのは東芝でしょう。ほぼ内定とは思っていたのに、もう1度入札競争をしなくてはいけないのですから。
ここでやめておけば、よかったものの、乗りかけた船は降りられないとばかりに三菱とのガチンコ対決を受けて立つ格好となりました。
で、めでたく東芝が勝利したものの、その買収額は約7000億円近く。関係者からは相場よりも大幅に高すぎるという声が出るほど。
てな感じで、東芝の原発のビジネスの船出はかなり厳しいものでした。
当初の想定よりも費用がかさみ・・・
高すぎる買い物と揶揄されたいたものの、海外では原発建設の受注を多数獲得。買収費用は前倒しで回収できるという見通しがたっていました。
ところが福島原発事故などもあり、工期が遅れ費用がどんどん膨れ上がっていたのです。
そもそもWHは、スリーマイル島以来の原発建設。建設に慣れていないというのもあったようで、発注者とも訴訟騒ぎとなり、そんなこんなで雪だるま式に建設費用が膨れ上がり、手に負えなくなり、WH破産申請。東芝も売却することとなった訳です。
といった具合に、受注はしたものの、当初の予定通りに工事が進み、費用も想定内に収まるという保証がないのが原発ビジネスの怖い所です。
日立は大丈夫?
このような大失敗を起こしたことで、政府も日立の原発建設には全面的にバックアップする姿勢を示しています。
建設の担うのは、英ホライズン社。この会社が第二のWH社にならないことを祈るばかりです。
というのも、このプロジェクトが失敗したら、そのツケは国民の税金で補填されるとも言われていますし。
現地に日本のスタッフを派遣するなどして、協業で原発建設に取り組んだ方が、多少のリスク回避はできるのでは?と思った次第です。