増産できないじゃなく、しないよに見るエネルギー企業の本気。脱炭素に向けて

石油エネルギー業界

ガソリン高騰で悲鳴。こんなに高いのって久々かも

テレビや新聞で報じられている数年ぶりのガソリン高騰。160円突破って、免許取り立ての20数年前にはこの半分だったのに・・・。

コロナで疲弊している家計に追い打ちをかけるような原油高。受給逼迫で石油原産国は増産に踏み切るかと思いきやさにあらず。

石油

というのも、これまでとは事情が違うようで、世界的に高まる脱炭素の動きが大きく影響しているようです。

シェルの英断。増産しましぇん~

石油メジャーの一角を占める蘭シェル。これまでは原油が逼迫するとなると増産に迅速に踏み切っていました。

例えば2014年には原油の探鉱、油田・ガス田開発、生産といった上流工程に300億円以上の資金を投入していました。

今回は約1/3の80億ドルと控えめ。

というのも、世界的な脱炭素の厳しい目もあり、特に欧州ではこの点がさらに厳しい。

てなわけで、虎の子のシェール資産さえも格安で米企業に売却。1936年から開発が進むナイジェリアの油田開発事業からも撤退を予定しています。

2030年までに毎年1-2%の石油減産するとも発表しています。

脱炭素

シェール会社の苦悩。投資家からの厳しい目

このように石油メジャーが脱炭素化に向けて、これまでのビジネスを縮小を余儀なくされています。

新規の油田開発はしないでねと投資家からのプレッシャーも多く、シェール企業も同様の目を向けられています。

米国のシェール企業は、これまでは原油価格の高騰を受けると水圧破砕法による掘削を拡大していましたが、今では、新規の油田探しに資金を投じるなら、配当に回してと言われる始末。

ので、シェール企業も、原油逼迫だからと言ってもこれまで通りの対応ができないという苦しい状況に置かれています。

このままではガソリン160円がデフォルト?

このように増産ができないとなると、原油価格は今のまま高値で推移しいてくことが予想されます。

原油はガソリンの他にも、飛行機、船、農業などなど様々な業種・業界で使われています。原油を使った加工製品も多数あり、家計は苦しくなること必死です。

脱炭素

今回、サウジアラビアの国営企業、UAEの国営企業などが増産を表明し、一時的に需給は改善されると言われていますが、長い目で見ると、しばらくはこの状況が続くかもしれませんね。

脱炭素化とは、痛みを伴う世界的な事業なんだなと感じました。

原油に代わるエネルギーが普及するまで、もうしばらく我慢が必要かなと思った次第です。

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