農機具で快走。後発組のハンデを乗り越えたホンダのフロンティア精神

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空前の家庭菜園ブーム到来

郊外に農地を借りて週末に野菜を育てるという人がコロナ禍もあいまって激増。小さな畑なのに貸し出し用に細かく区分けされ、とうもろこしやトマト、きゅうりなどなど様々な野菜を目にします。

畑近くにはクルマが数台停車されており、遠方からはるばる、この郊外まで足を運んでいることが伺えます。植物を育てる楽しさはもちろん、子供の教育にも良いということで、様々な層を取り込んで拡大し続ける家庭菜園市場。

今では当たり前の光景ですが、ホンダは数年前から、この状況を予見。それに合わせて、製品開発はもちろん、販売、サービスを構築していきました。

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遡ること今から40年前とは・・・

ホンダが農業関連に参入したのが今から約40年前の1980年。参入製品は小型の農耕機。当時の市場ではプロユースばかりでしたが、そこに個人向けのいわばエントリーモデルとも呼べる製品を投入しました。

ホンダにとっては初となる農耕機。市場はプロユース製品ばかりということで、さぞ中の人は不安だったかと思います。

が、発売から約3年で10万台近く売れる大ヒットを記録。幸先良いデビューを飾りました。

当初は、家庭菜園での使用を想定しておりましたが、プロの方にも、ちょっとしたスペースで使用するのにもってこいということで、プロにも愛用されました。

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立ちはだかる先行者組に対して取った策とは

順調に販売を伸ばしていたものの、ベテラン組の壁は相当高かったようで、その後は苦戦を強いられることになりました。

ベテラン組は自社の販売網を持ち、販売からサービスまで一気通貫で面倒見る体制が整っており、農家の人との関係も深い。

農機具販売店という販路に限界を感じている中で、取った策がホームセンターを活用した販売体制。農機具メーカーもホームセンターでの販売を忌避する傾向があり、ちょうどぽっかりと空いた販路。

ホンダにとっては願ってもない販路ということになり2000年から本格的にホームセンターでの販売に力を入れ始めます。

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ホームセンターにも旨味のある商売がポイント

ホームセンターを主戦場に設定したホンダは、販売はもちろんですが、クルマ同様、アフターサービスにも力を入れはじめ、人材育成に着手。資格制度を取り入れ、ホームセンターのスタッフに資格取得を働きかけます。

ホームセンター側も、アフターサービスによる収入も見込め、かつ顧客の囲い込みにもつながるということで、今では全国で150人ほどの資格認定者がいるとか。

あるホームセンターでは、約4割がホンダ製ということで、この販売からサービスまで一気通貫した施策は家庭菜園者にとっては大変ありがたく映っているように見えます。

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この先どうなる、ホンダの農業ビジネス

現在では小型農耕機にとどまっていますが、ホンダという規模を考えると、さらに拡大していく予感がします。

ターゲットもプロユースまで拡大し、ホームセンター内にホンダショップなるショップインショップという形態も十分に考えられるかなと。

家庭菜園もそうですが、農業は今、IT、大規模化など今まさにホットな市場とも言えます。この先のホンダの農業ビジネスから目が離せません。

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