こんな所にもゆるゆる金融政策の影響が・・・
実態経済とかけ離れて株価は3万円目前という昨今。この好景気を演出しているのが各国で行われているゆるゆる金融政策。
金利がひっくいものだから、お金持ちの方々は色々な投資商品に資金を使用。結果、今日のイマイチしっくり好景気状態を生んだわけです。
当然、住宅ローンの金利も低く設定され、今がチャンスとばかりに米国では家を建てる方々が増加。在宅勤務という援護射撃もあってか、特に郊外での新築着工が多いようです。
需要底打ちからの鬼回復
コロナが騒がれた当初は、このまま業績も悪化するのではと不安視されていました。自動車業界では確かに当初は対前年比を下回る月が続きましたが、次第に業績は回復し、コロナ禍前と遜色ないレベルまで回復しました。
木材の市況も全くこれと似たような動きとなり、2020年春ごろは、ほぼほぼ底値状態まで落ち込みましたが、そこからはゆるゆる金融政策による住宅バブルで、あれよあれよと回復し、しまいにはコロナ禍前に比べ1.5倍の価格まで上昇。
建築用木材を輸入に頼る日本にとって大打撃。個人レベルで言えば、お家リノベーションが大流行のDIYに水をさす格好となりました。
需給逼迫の遠因は2019年に遡るんだけど
ここまで見ると、住宅ローンの引き下げが需給逼迫の要因にも見えますが、2019年に米国で起きたストライキも少なからず影響しています。
このストライキで製材工場が次々と閉鎖されました。そもそもは生産数の減少というのもあり、多くの木材屋さんは今の値段では生活できないと廃業を決意したのでしょう。
これにより、今回の需要増に追いつくことができず、今の木材価格1.5倍を生んだわけです。
頼みの国産木材はと言えば・・・
日本では長く輸入に頼ってきたこともあり、国内の林業は衰退の一途を辿ってきました。
今さら、建築用の木材を供給してくれと言われても、バイオマス発電用やパルプなどの用途向けにこれまで生産してきたこともあり、そう簡単に建築用の供給できない。
林業の復活になればいいんだけど・・・
今になって、これまでのツケを払わされる格好となった林業。未整備の山も数多く日本にあるものの、従事者の高齢化もあってか林業は斜陽産業となっています。
農業が大規模化、企業の参入、ITを駆使しした生産などなど、はたから見ると復活の兆しさえ感じます。
林業もこの危機を契機に、本格的な企業の参入やITの導入などを行い、復活して欲しいものです。そうすることで業界全体の若返りも図れると思うんですよね。
環境、自然災害なども考えると山のメンテナンスは大事。日本の未来にとっても林業は必要不可欠なお仕事になってくるでしょう。