店舗を持つか持たないか証券会社の選択

商談金融保険業界

店舗の統廃合進む銀行

フィンテックの台頭、ネット銀行の普及などにより銀行の店舗統廃合が急速に進んでいます。

併せて負の遺産とも言われているATMも提携が進んだり、セブン銀行のATMに切り替えたり。

と同時に海外も含め人員削減が叫ばれ、益々厳しさを増す金融業界。

この流れに乗ってか、証券会社でも最大手の野村證券が店舗統廃合を進めています。

銀行

野村證券も店舗統廃合へ

ネット証券が台頭してきたものの、頑なに対面販売にこだわってきました。

それもお客様が高齢者だったから。とは言え、この先も得意客が対面販売を望むとも言えなくなるし・・・

業績も国内の株式売買手数料が減り1000億円の赤字を出しちゃっているし・・・

さらに追い打ちをかけるのが対面販売の効果を疑問視する声

お客様の来店目的は証券セミナーが中心。その来店で株の販売に結びついてるのかっていうとそうとも限らない。

セミナー来店が目的であれば、常設店舗ではなくても会議室などを借りるなどしても十分に対応できます。

てなわけで、2019年4月、3年以内に全国156の支店の約2割を削減することを発表しました。

株

店舗を増やす大和証券

一方、業界2位の大和証券も業績は芳しくなくこちらも減収減益

野村證券のように店舗数を減らして少しでも固定費の圧縮に力を入れると思いきや、まったく逆の施策を打ち出しました。

支店とまでは行きませんが、スタッフ4-5名による営業所という店舗を増やし、顧客接点を高めるというもの。

営業所は事務所スペースと応接室の簡単なつくり。映画に出てくる街金屋みたいな事務所イメージしちゃいますが、このイメージそのものだったら、むしろ親近感が増していいかも。

ちょっとした相談に訪れただけなのに従来のようなカウンター式の対面となるとちょっと腰が引けちゃいます。契約しないとダメなのかなって。

オフィス

一人ひとりに深く野村證券

店舗統廃合に併せて今まで点在した部署をいち店舗にまとめて総合力を高めてお客様にあたるという戦略に舵を切った野村證券

株式販売だけではなく、経営や事業戦略、税金対策など多岐にわたる相談ごとを持ちかけられるようで、専門部隊を置くことでより深い提案をしていくようです。

顧客との接点数は減るものの、そこはネットでカバー。より専門的な分野は対面でフォローと明確に棲み分けている印象を受けます。

ビジネス

人材育成をメインに大和証券

店舗網を増やす大和証券の目的は顧客接点の拡大がメインですが、人材育成にも力を入れています。

管理するスタッフは数名ながら所長はある意味、一国一城の主になるわけで、マネジメントの勉強をさせるにはもってこい。

早い段階で修羅場を経験させて成長スピードを早める狙いがあるようにも見えます。

育成

個人的には大和証券押し

これらの効果が出てくるのは数年先の話になるでしょうが、果たしてどちらの戦略が効果的と出るのか。

店舗統廃合は即効性はありますが、人材育成はすぐに結果を求めるのは酷。

とは言え、ネット販売が主流の今、大手もこちらに寄せてくるとなると却って対面販売、それも気軽に相談できる環境を提供する大和証券の方が分がある感じがします。

ネット証券を実際に利用している身ですが、やっぱりプロの指南を受けたいという時がちょいちょいあるもので・・・

初心者に優しい大和証券。そのスタンスが変わらないことを祈るばかりです。

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