過去最高を記録したけど、神妙の面持ち
半導体業界の国際団体SEMIの発表によれば、シリコンウエハーの出荷面積は前年同期比2.5%増で過去最高記録。依然、半導体業界は我が世の春を謳歌しているように見えます。
が、中の人曰く、「マクロ経済では向かい風を受けている」とのこと。追い風とは思いきや、逆にコメントに驚きました。
世界的にも最大手のTSMCやインテルなども、投資を抑えていることを考えると、このコメントは真実なのでしょう。
徐々に回復しているっぽい。半導体市況
国内最大手のルネサスエレクトロニクスもご多分にもれず、業績は絶好調。品不足が大きく影響しているように見えますが、在庫は適正値に戻りつつあるとか。
2022年7-9月の在庫回転日数は103日。安定在庫の目安が100日と言われているようなので、品不足は解消しつつあります。
コロナ禍で生産ラインが止めた大きなツケが徐々に解消に向かっているようにも見えます。
今後は在庫増に転じないように、需要予測がよりシビアになってくると思います。
とは言え、業種別ではまだまだ半導体不足が続いているっぽい
そのために、ルネサスエレクトロニクスでは、需要の急減に備えて、業界別に生産・出荷調整に入りました。
自動車向けの半導体は、作ればすぐ売れる状態の品薄状態で、供給が追いついていません。一方、IT関連のパソコンやスマホなどは、比較的に落ち着きを取り戻しつつあり、生産量を落とすか否か検討中だとか。
装置産業としての宿命
半導体業界は装置産業とも呼ばれ、工場の稼働がガクンと落ちると、投資した分がマイナスとして戻ってきます。
供給が追いつかないから、設備を増強しようと、そう簡単には口にはできないのでしょう。
現在の半導体不足を受け、恐らくルネサスエレクトロニクスも設備増強されたかと思いますが、投資に踏み切るまでは、緻密な需要予測していたことでしょう。
とにもかくにも半導体不足が徐々に解消されているのは良いこと。
これでゲーミングPCもいくばくかお求めやすい価格に戻ることを期待しています。