ペーパレスで印刷業界大打撃
世の中のぺーパレス化、ネットの普及により紙媒体は昔に比べめっきりと力を落としてしまいました。特にその影響は印刷会社にとっては大きく最大手の凸版印刷も同じ状況。
1991年のピーク時から4割も売上が落ち込み、このラインは死守しようと策定した目標値にも届かない。てな訳で、本業の印刷業務だけではなく、今流行りのDXにも力を入れていきましょうとなったわけです。
そもそもデジタルに力を入れていた凸版
これからDX化を進めようとあたふたする会社が多い中、凸版印刷のDX化はかなり古く、遡ること20年前に開始したShufoo。
折込チラシをデジタル化して、地域の折込をネットで閲覧できるという活気的サービス。サービス当初は、掲載企業は少なかったものの、今では折込チラシのネット版として日本最大級と言ってもいいでしょう。
かくいう自分もアプリを入れている位です。
印刷会社ならではのDX化
DX化ともなると競合他社が多い中、そこは最大手凸版。同じ土俵で戦うのではなく、印刷会社ならではのDXを提案するというのが肝。
例えば今後の市場拡大が見込まれ、FBがかなり力をいれているメタバースで、2022年4月にミラバースをリリース予定。
この作り込みにおいて印刷会社ならではの技術を余すことなく注入。色彩や質感を数値化する技術を使い、仮想空間のエズラのクオリティと高いものに仕上げたとか。
他にもデジタルと切り離せないセキュリティ面でも、これまでの印刷で培っった情報漏えいリスク管理のノウハウを注入したようです。
極めつけは外販のシステム
他にも、これまで社内で活用していた工程管理、稼働管理、在庫管理というシステムを外販しているとか。
印刷ともなれば印刷物が仕上がるまでの工程、稼働、仕上がってからの在庫管理とシステムに頼らないと仕事が回らない業界。
自社オリジナルが多い中、同業者はもちろん他業界にも利用できるよう、汎用性を持たせたシステムを開発。
これを既におつきあいのある約2万社とも言われるお客様に売り込むというのですから、商魂たくましいと言ってもいいでしょう。
既に自動車や薬品業界などで導入が進んでいるというのですから、さすがは凸版印刷です。
DX化へのシフトも会社によって様々
昨年からやたらと耳にするDX化ですが、凸版印刷の場合は、本業の印刷を軸にして関連性の高い周辺の事業をデジタル化している所がミソ。
これまでの知見、ノウハウを活かしながら、正常進化させているから強いのでしょう。
印刷も情報加工ビジネスの一つと考えれば、デジタルも印刷も最終ゴールは一緒という中の人のコメントがやけに印象に残りました。