絶対王者インテルは今や昔かも
その昔、ウィンテル連合として名をはせたインテル。パソコンのCMを終わりにはどのメーカーにも必ずインテルのサウンドロゴ、「インテル入っている」が必ず流れていました。
AMDという新興ライバルも迎えるも全く寄せ付けない圧倒的強さ。半導体の絶対王者として長く君臨していました。
が、スマホなどが普及するにつれパソコンの存在感が弱まるとインテルも往時の勢いを失い、時価総額では今ではサムスン、TSMCの後塵を拝するまでに凋落してしまいました。
お箱の垂直統合型やめます。
製造技術においても首位のTSMCに比べると1-2週の周回遅れ感が否めないインテル。
2022年以降に発売を予定している7nmと技術を盛り込んだ製品は、既にTSMCが量産化に成功しているというもの。
てなわけで、これまでこだわってきた垂直統合型のビジネスを捨てに一部を外部に委託することを決めました。
これまでの成功モデルを諦めさせてしまうほどの破壊力を持つTSMCとは一体どんな企業なのか。
ファブレス企業にとってはなくてはならない存在
工場を持たずに生産のみを委託するファブレスという業態。工場を持たない分、迅速な経営が進められると言われています。
TSMCの主要顧客は、このファブレスを採用している会社が中心。クアルコム、エヌディビア、アップルなどなど。
2020年秋に発売されたiPhone12のCPUには、TSMCの最新の製造技術が盛り込まれています。
そもそもは米半導体大手テキサスインスツルメンツで上級副社長が1987年に立ち上げたファンドリ会社。
基本的に生産受託という形態は今も変わりませんが、製造技術の工場に多額の投資を行い会社を成長させており、それが今回のiPhone12に高性能のCPUを載せられることができたのです。
インテルではまだ無理だったんですけどね・・・。
リスクは高いけど工場を持っているのは強い
ファブレス業態が増える中、頑なにファンドリ業態に固執してきたTSMC。これが今の成功に繋がっています。
周りにを見渡せば、半導体業界でTSMCに並ぶファンドリ会社はなく、ほぼ一強状態。時価総額でも業界全体で見ても一番なのですから、先を見る目があったのでしょう。
時価総額2位のサムスンも、ファンドリに力を入れていく動きを見せるなど、にわかに工場を持つ重要性にも注目が集まっています。
ファブレスからファンドリへの流れが再び起こるのか。注視していきたいと思います。