DAOは法人格では扱えましぇん。
クラウドファンディングの上位互換とも言えるDAO。トークンを持つ参加者同士で意見のやりとりを行い事業を推進していくという組織形態は、Web3を普及していく上で注目の仕組みと言えますが、あまりにも新しすぎたのか、今の法律に照らすと法人格にはならないとのこと。
現状の法制度に照らすと、組合に近い組織形態となりますが、何か不祥事が起きた場合は、参加者全てが責任を負うことに。
となると、組織の中心メンバーから、気楽な気持ちで参加している人まで責任を負うことになってしまう。
ので、合同会社的な扱いにしてはどうかという意見が出ているようです。つまる所、責任の範囲を明確にして参加者全員の責任しないということだと思います。
とにもかくにも、DAOの普及には組織形態を法人化していくことが不可欠といった所でしょう。
税制面では持ち出し覚悟。トークン発行は何かと面倒
続いてWeb3の普及に立ちはだかる壁が税制です。例えばDAOを立ち上げてトークンを発行するとします。これから事業を始めるということなので収入はほぼ0状態。
が、日本の税制上、期末には時価評価され課税されてしまいます。この先、どう転ぶかわからないのに税金は払わなくてはならない。これではDAOを立ち上げるにも二の足を踏んでしまいます。
ので、シンガポールなどの海外でDAOを立ち上げる方もいるとか。
このような現状を受け、このままでは日本でDAOが普及しないという危機感から、課税対象外にする動きが進められています。
会計処理の項目はどれに該当?Web3
最後にWeb3に立ちはだかる壁が会計です。例えばNFTによるイラストの販売で得た収益は棚卸し資産になることもあればその他投資目的資産になったり、無形固定資産になることも。
ので、企業の手間が増えることは確実。大企業ならまだしも、中小企業にとっては負担になること間違いでしょう。
またトークンは有価証券や暗号資産と位置づけられ、決算で時価評価されますが、評価額が大きくぶれることもあり、会計監査で意見がまとめにくいということも。
ので、上場企業であせ、Web3系の事業は進めにくいという事情もあるようです。
まとめ。Web3普及に向けて
新しい技術ということで、法整備などが全く追いついておらず既存の制度にはめ込むとかえって普及を阻んでいるという残念な状況にあります。
政府としても新しい産業育成には積極的に取り組んでいることから、スピード感をもって法整備を進めていくと思います。
DAOのなんちゃって合同会社化、トークン発行の条件付き非課税、会計上のルール決めなどなど。
法整備が進めば、普及を阻む壁も軽々と超えられる日が来ると思った次第です。