医療費削減の格好の餌食
医療費が年々膨らんでいることで、抑制に向けて標的にされているのが薬価。
これまで2年に1回の価格の見直し、いわゆる値下げでが行われてきました。ところが2021年より毎年更新になるとのこと。
クルマに例えれば2年に1回の車検が1年に1回になるようなもの。これは製薬会社にとっては痛い話です。年間の売上計画を立てるにもこれまでの価格をスライドさせることはできない。目減りする部分を毎年頭に汗をかきかき進めていかなければなりません。
反発する製薬業界
そもそも、製薬会社の薬の収益を新薬開発に投資して、その循環で商売が成り立っています。
新薬開発にはとんでもない開発費がかかるわけで、薬価の引き下げは開発費の減少を招く恐れがあります。
新薬開発で医療費を抑制
で、新たな視点として、新薬開発を促進することで医療費の抑制が叶うというのも注目されています。
例えばインフルエンサの予防薬。これまでは製造期間が半年と長いため、国は早め早めに数を抑えて備蓄していました。
在庫を多く抱えることは民間にとってはリスキーなはず。けど、流行時に予防薬がないということになれば多くの命を危険にさらしてしまう危険があります。
ので、リスク承知で今までは買い込んでいました。
ところがインフルエンザ予防薬の新薬は、これまで半年だった所、1ヶ月で製造することが可能。となれば、国の備蓄量も大幅に減ります。
といった具合に、新薬開発が医療費抑制に寄与することもあるわけです。
厳しいジャッジが待っているけど
開発期間を大幅に短縮して医療費削減に貢献することがわかりましたが、とは言え、市場に出てからもお薬さんは、市場の厳しい目にさらされ、その評価次第では価格改定の憂き目に会います。
それが国が定める費用対効果評価制度。
「入院期間を短くする」、「健康寿命を伸ばす」。などの指標で評価されます。
例えば寿命を1年伸ばすのに500万円の費用がかかるということであれば、費用対効果は低いと判断され、価格の見直しを受けることも。
といった具合に、おくすりさんはかなりシビアに評価されているわけですね。例え新薬と言われても、その効果の程がイマイチであれば、早々にも価格見直しがされるんでしょうね。
まとめ
医療費抑制を目的とした薬価の改定ですが、国による厳しい目にさらされることで技術も発展していくことを考えると致し方ない部分もあるかなと思いました。
それにしてもインフルエンザの検査費用がもう少し安くならないかと思う今日このごろです。