デフレの雄、しまむら
2000年前半頃の景気低迷下、なかなか利益が上がらずどのお店も苦労している中、躍進を続けてきたしまむら。
郊外を中心に、田舎住まいの僕の近所にもあります。
ユニクロみたいに洗練されてはいないけど、実用的で価格も安い。ので、昔は頻繁に利用していました。
強固な店舗運営
しまむらの店舗運営は本社主導。コンビニでは最近、地域ごとに裁量を与えているというのは聞きますが、アパレルは地域差がさほどないからでしょうか、本社で画一的に管理した方が効率がいいのでしょう。
1店舗あたりの面積は1000㎡前後と決められ、陳列する商品も婦人服、紳士服、子供服など。コレも全て本部で決められた陳列になっています。
売り切れゴメンの販売法
百貨店などでは委託販売という形で、売れ残ればメーカーに返品が効きますが、しまむらの場合、全数買い取り。
メーカー側もこれなら安心して生産できます。ロス率を考えての生産となると不安もありますし、仕入れ値に転嫁しなければならない。結果高くついてしまう。
買い切りであれば、ロス費を上乗せする必要がないので仕入れも安く抑えることができます。
各店舗で融通しあう
アパレルの店舗では既に一般化されているかもしれませんが、商品を店舗間で融通しあうという仕組み。
しまむらも同様の仕組みを行っておりこれがしまむらの強さの源泉とも言えます。
ある店舗で在庫切れとなれば本部のスタッフが各店舗の在庫状況を見ながら、その店舗に商品を送る。
これにより無駄なく商品を売り切ることができるわけです。
その名もコントローラ
この在庫調整を担う人達をしまむらではコントローラと呼んでいます。在庫調整はもちろんですが、コントローラは実際に現場に足を運んで、売れ筋やら在庫状況をチェックし、店舗を巡回していきます。
ので、未然に在庫切れ商品の予測も立てられる訳で、事が起きてからも慌てず調整することができるのです。
ところが在庫が膨れ上がり、さぁ大変
店舗網拡大の弊害なのか、このしまむらの強さの源泉が停滞。社長いわく今までの小規模店舗網の仕組みであって、今の大規模店舗網の仕組みにはマッチしていなかった。そこが原因だと言っています。
その後の対応を見るに、これってコントローラの強化に他なりません。
バイヤーと対等の権限を付与
それまではバイヤー主導で、商品を大量に仕入れて販売するという形で、それにコントローラが従属するという形。
が、店舗を訪れると在庫がたまる一方で、なかなか売れない。
現場をよく知っているコントローラの意見も反映し、商品を仕入れることに切り替えた訳です。
という訳で、現場の状況が反映した適正な仕入れ数となり、店舗に在庫だらけにならないよう整備をし始めたのです。
現場あっての商売
この事例、小売に限らずいろいろな仕事にも通じるものがあり、あらためてはっとさせられた感じがしました。
パソコンの前でじっとしているよりも現場に足を運ぶ大事さを学んだ次第です。