勇敢に高かった伝説の兵士たちは学生さん。「長沙里9.15」

長沙里9.15アジア映画

時は朝鮮戦争真っ只中。国連軍劣勢

国連軍を持ってしてもソ連、北朝鮮軍の前ではなすすべなし。

戦況は北朝鮮軍有利。北緯38度線を大きく超えて釜山まで追い詰められた韓国軍という状況。歴史に「もし」が存在するならば、今頃、朝鮮半島は北朝鮮一国になっていたかもしれません。

この状況を打破しようとマッカーサー司令官の打ち出したのが、一か八かの仁川上陸作戦。深入りした北朝鮮の背後をついて挟撃して殲滅させようとでも考えたのでしょう。

長沙里9.15

とは言え、上陸先は手ぐすね引いて北朝鮮軍が待っている状況。上陸しようにも多くの犠牲を伴うのは必至。

てなわけで、この作戦を成功に導くために相手の戦力を分散させるかという狙いで、日本海側の長沙里上陸作戦が敢行されます。

軍を率いるボスは何かと大変

この作戦を任命されたのが、学生兵722人。わずか2週間の訓練で戦地に向かわせるという所に、当時の韓国軍の窮状がありありと感じられます。

軍を率いるイ・ミョンジュン大尉が、こっちは大隊。向こうは中隊レベルの規模。我軍の方が有利という言葉がやけに印象的でした。

この戦いがいかに無謀であるかは、誰よりもわかりきっている。けど弱い所見せたら、士気に関わる。てなわけで、終始強気の姿勢を貫いていました。

長沙里9.15

大隊とは言ってもほぼほぼ素人集団。

台風で大しけの中、長沙里に向かう学生兵を乗せた船。船内は波の大うねりのせいで、船酔いする学生ばかり。こんな素人集団で本当に北朝鮮軍に勝てるのかと不安に思いました。

長沙里9.15

が、船内の学生に悲壮感は全くなく、むしろ国のために戦う誇りを感じているのか、皆意気揚々。逆に頼もしい感じさえしました。

戦争の恐ろしさを知った。死の上陸作戦

夜が明けてからでは部隊が全滅するのは目に見えている。てなわけで真夜中に決行された上陸作戦。

島付近に近づくと、待ってましたとばかりに北朝鮮軍の雨あられの銃撃。船も被弾し、船内は大きく揺れて動揺する学生兵達。さっきまでの威勢の良さは消え失せ、戦争の恐ろしさを感じた瞬間でもありました。

この動揺がさらに深まるのを恐れてか、すぐにゴムボートを使った上陸作戦が開始されます。が、船内のゴムボートはわずか4隻。

これでは全員が上陸する前に夜が明けてしまう。てなわけで、ビーチと船をつなぐ綱を張り、その綱を使って上陸させようというもの。

が、ゴームボートは狙い撃ちされるわ、ビーチには地雷がたくさん埋め込まれているわで、まともに上陸できたのはごくわずか。

この上陸で、いきなり多くの犠牲を払うこととなったのです。

一難去ってまた一難。迎え撃つ北朝鮮軍

何とか上陸にこぎつけたものの、目の前の崖には、あちらこちらに北朝鮮軍の砦がたちはだかり容易に近づけない。

そこで陽動部隊を編成し、正面とサイドから攻め落とす作戦を展開。この作戦が見事成功し、難攻不落とも言える長沙里の砦の奪還に成功。

長沙里9.15

韓国軍の仁川上陸作戦を見事成功させ、劣勢であった韓国軍を攻勢に転じさせ、戦況を逆転させた功績は大きい。

当初の作戦は大成功を収め、上陸した学生兵もそろそろ撤退という時かと思っていた矢先に、まさかの北朝鮮軍の長沙里再奪取計画が実行に移されます。

もう少し早く北朝鮮軍が撤退命令を出していれば、この再奪取計画も実行に移されず、学生兵の命も救えたのかなと思った次第です・・・。

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