ネットがない時代だけに・・・
ネットが普及し、誰でも様々な情報にアクセスできる現代からして見ると、昔は国にとっては都合の良い世の中だっただなと
デモが起きた現場では、数多くの死傷者が出ているというのにテレビの報道では民間人の死傷者数名で、兵士も数名重傷を追っているという事実とは全く異なる情報を流しているのですから。
事件の起きた場所から遠く離れたソウルでは、この情報を鵜呑みにして、デモを引き起こした市民達が悪いという見方。
容赦なく民間を殴りつけ、しまいには銃殺してしまうというゾッとするような事実は一切語られず、兵士達も大変ねという空気にちょっとビックリこきました。
1980年代ってつい最近じゃん
さらに、この事件が起きたのが1980年とつい最近の話というのに驚かされました。
この手のデモとなると、水放射や催涙スプレー的なものがよくある対処法かと。命を取るという所まではさすがに・・・・
政情が不安定ならまだしも、民主主義の歴史も長くかなり成熟していたかに見えましたが・・・
作品の中で描かれた内容は、警棒らしきものでフルボッコされる市民。病院は怪我人が収容しきれず治療が追いつかない。容赦ない銃撃で命を落とす人もおり、まるで地獄絵図。
なのに、この様子が、一切光州市から出ない。完璧なまでの情報封鎖をしていたというのですから、国家を本気にさせたら怖いなと思いました。
報道に対する使命感とは言え・・・
光州市に入り込むあらゆる路。地元民から知らないような山道まで全ての路を封鎖し、一切、光州市に人を入れない。その逆もあり一切、光州市から外に人を出さない。
この軍部による鉄壁のガードをくぐり抜けたのがドイツ人記者とタクシー運転手だったのです。
ドイツ人記者の真実を全世界に知らせるために、カメラを回し続けます。軍隊と市民が衝突し、数多くの人が命を落とす様子や死傷者が搬送されたパンク寸前の病院の様子などなど。
軍部の目に止まり、命を狙われる身になってもカメラを回し続けます。
強い使命感がビシビシと伝わってきました。
全世界に真実を知らせるという使命
最初こそとんでもない事件に巻き込まれてしまったと後悔していたタクシー運転手が、次第に市民と一緒に戦うことを決意。
けど、地元民に君に協力して欲しいのははデモにへの参加ではなく、真実を全世界に知らせて欲しいこと。
だから、ドイツ人を光州市から無事に脱出させて空港まで届けてほしいと。
これにはちょっとウルッと来ました。
最後まで目が離せない展開とはまさにこのこと。
最後まで緊張の連続でした。