人生最大の悲劇の時。頼るは昔の友人達
奥さんの数年前に病気で亡くし、息子もつい2日前に戦争で失い悲劇のどん底にあった主人公ドク。
彼が取った行動とは遠い昔、ベトナム戦争で共に国のために戦った同士達に会うというもの。
まず最初に会いに行ったのは、現在バーを経営しているサル。30年の時が経っても変わらない陽気な性格。
ドクのテンション低めの様子とは対象的に30年ぶりの陽気さはそのまま。再びに会いに来てくれたことを心の底から喜んでいる様子。
続いて、向かったのは当時は粗暴な性格で恐れられていたミューラー。現在、聖職者にもなり当時の面影は一切なし。
彼らとの久々の再会もどちらかと言うと迷惑千万。軽い食事後とっと帰ってもらおうというスタンスが丸見え。
が、ドクの息子が2日前に戦死し、棺のある米軍基地まで同行して欲しいという依頼を渋々承諾。
こうして30年ぶりに3人は行動を共にするようになったのです。
棺は持ち帰りますの訳は、政府への不信感
戦死者の棺が置かれた米軍基地。棺には星条旗がかけられ、ここで親族は冷たくなった家族という事実を突きつけられる訳です。
その後、政府指定の軍人用の墓地に埋葬される訳ですが、ドクは自分で遺体を持ち帰ると言い放ちます。
そもそも、息子が軍人となって戦地に向かうことを猛反対していまいした。本人もベトナム戦争で命からがら生き延び、その怖さを存分に体験。
しかも、政府側の勘違いからか、しばらくは戦争がらみで刑務所にぶちこまれ、国に対しての不信感が募っていたのです。
こうして、息子の上司とも言える大佐の説得も虚しく遺体を運び出すこととなったのです。
30年ぶりユニット再結成
このドクの思い切った行動に、気前よく助け舟を出したのが陽気なサル。大型トラックを早速レンタルして棺の輸送を買って出ます。
逆にミューラーは一緒に息子に会いに行くという約束を果たしたといこともあり、これ以上は付き合いきれないということで、妻が待つ家に戻ろうとします。
ところがある事件をきっかけに変心。この1件が片付くまで行動を共にするとやや怒気を含みながら、彼らに言い放つのでした。
こうして、30年ぶりに3人は行動を共にします。昔話に花を咲かせ、堅物だったミューラーも徐々に当時の荒くれ者のミューラーが顔を出し、再会を心から喜んでいる様子でした。
どこか矛盾している父と息子の相似形。
激しい銃撃戦の末、命を落とした息子というのが政府からの報告でしたが、本当の所は、ある友人の代わりに買い物に出た所にゲリラ部隊に出くわし、応戦する間もなく背後からズドンというもの。
このような嘘で塗り固められた政府のやり口に激しく憤る3人でした。
そして、この話に触れ、自分たちのベトナム戦争の時を思い出します。戦死したある仲間は、彼ら3人の尻を拭う形で命を落とすことになります。
彼ら3人が事を起こさなければ、彼は命を落とすことはなかった。3人の胸に深く30年間刻まれていたのです。
そして30年後、罪償いという理由からだと思いますが、戦士した彼の実家を訪れます。
そこで告げられたお母さんの言葉に、一同言葉を失います。
息子は激しい銃撃戦の中、自らが盾となり仲間の命を救ったと・・・。
その仲間こそ彼ら3人であるものの、激しい銃撃戦というものは存在していなかった。彼ら3人の悪ふざけが原因であったと。
が、お母さんを前に真実を告げることはできず、政府からの報告による激しい銃撃戦にのっかり、自分たちも政府と同じような対応していると、さらに心を痛めるのでした。
こうして仲間一人は戦死していますが、30年後に軍人として時を過ごした仲間と再び再会することとなったのです。
同窓会と言うと学校を想起しがちですが、職場という形もあるんだなと思った次第です。