あらすじ
ママ軍人とでも言うのでしょうか、子供がいながらにして、軍隊では軍曹職の彼女。
子育てママながら、戦地に派遣されるというちょいと日本では考えられない残酷な物語
衛生兵って大事だよ。
このママの役職は、衛生兵。ドラクエで言えば僧侶。戦闘中に傷を負った仲間に応急処置を施し、その人の生死を左右する重要な仕事。
加えて銃撃戦なんかにも一緒になって参加するし、危険と表裏一体なのです。
腹部から血を流しているのにパニックならずに淡々と治療に専念。怪我人の不安を和らげる問いかけなど一刻を争う緊迫感がビンビン伝わってきます
子供は正直。一言一言が痛い・・・。
数ヶ月ぶりに帰国した彼女を待ち受けたのが、子供からのきっつい仕打ち。
預けられていた先の女性になつていたものだから、すっかりママの愛情を忘れてしまい、一緒に住むことを拒んだり。
ことあるごとに、預けられていた先の女性の料理の方がおいしかったなど。
産みの親としては何ともつらすぎるお言葉。
けど、子供は正直。攻めることはできません。二人の間にできた溝を埋めるのに辛抱強く向き合うママの姿にホロッと来ます。
国の安全と子供をどちらを取るか
男の場合は家庭よりも仕事を優先することに、さほど批判されないけど、女性は別。
悪女やら母親失格など、かなり厳しい批判の声を受けます。
さらに追い打ちをかけたのが元旦那の言葉。子供よりも国の安全を優先するのかと、これには鬼軍曹でも相当応え、深く落ち込んでしまいます。
最後は泣けます。
ネタばれになりますが、再び戦地への派遣命令が下り、思い悩むママ。やっと子供との溝が埋まったのに・・・。
普通なら任務を辞退したいところだけど、軍人だとそうは行かないみたい。
最初は言葉さは交わしてくれなかった子供が、最後は「ママ、死なないって約束してね」という言葉に、胸がしめつけられる思いがしました。
産み親ともなれば、なおのこと。逃げ出さずに命令に従うママの男気にあっぱれ。