実在するボクサーだから面白い
数あるボクシング映画の中でも、僕的にはベスト3に入る本作品。
アリとほぼ同年代に現役だったパナマ出身の英雄的ボクサーロベルト・デュランの半生を描いています。
生い立ちがボクサーにピッタリ
貧しい家庭に生まれたロベルト・デュランは、ママのためそして弟、妹のために泥棒まがいのことをしながら一家を助ける孝行息子でした。
ある日ボクシングジムを訪れ、その様子にいたく心が揺さぶられスタッフに入門したい旨を告げましたが、まだ幼いということであっさりと断わられます。
ならば、ストリートの賭けボクシングで、お金を稼ごうと。これが大当たりで連戦連勝。ファイトマナーもガッポガッポ入り、この様子を見ていたボクシングジムのトレーナーが一度は断ったものの、入門を認め本格的なボクシング人生が始まったのです。
パナマの国民的ヒーロー
幼い頃からボクシングジムでしっかりとトレーニングを積んだ彼は、プロの資格を得ると連勝に継ぐ連勝で、あっとゆう間に世界戦の挑戦キップを得ることにします。
この世界戦を前に、ロベルト・デュランのトレーナーに就いたのが、アメリカボクシング界においての名トレーナーレイ・アーセナル。
彼は20人以上の世界チャンピオンを育て上げたほど実績は申し分なし。
元々ボクシングの腕前は一級品だったロベルト・デュランに頭を使ったボクサーを教えることで、さらに強さを増します。
ボクシングはストラテジーとのこと
レイ・アーセナルが、教えたのはボクシングは戦略。頭を使ってファイトしなさいということを、コンコンとロベルト・デュランに説きます。
試合中にラウンドごとの合間、合間に相手方を見て、そしてロベルトの様子を見ながら的確なストラテジーをロベルトに叩き込む姿は、さすが名トレーナーといった感じ。
世界タイトル戦は13回KO勝ちで見事に勝利。ここから傷なしの防衛戦勝利を重ねていきます。ノンタイトル戦も数多くこなしていました。
あのガッツ石松と拳を交えてたいたというのは驚きました。
まだガッツ石松が世界チャンピオンになる前の対戦だったこともあるのでしょうか、結果はロナルドの勝利。
あの5階級制覇のレナードに挑むとは
クライマックスは、後に5階級制覇を成し遂げる偉大なチャンピオン、シュガー・レイ・レナードとの対戦。
当時の彼は、ロナルドにから見ると2階級上のWBC世界ウェルター級王者。
ある意味、アメリカとパナマの代理戦争とでも言いましょうか、国民の期待を一心に背負い試合に臨みます。
この試合も、ロナルドが勝利を収めることとなりますが、この試合にもレイ・アーセナルが言っていたストラテジーがふんだんに試合前から使われていました。
後に、レナードは、まんまと彼の挑発に乗ってしまったと猛省。次の試合では本来のヒット&アウェイのスタイルを取り戻し、結果リベンジを果たすわけですが・・・。
この試合の勝者となったレナードは逆にロベルトを挑発して、自分の術中にはめることに成功しました。
お互いの相手の戦略の前にひれ伏したという感じがどこか不思議な感じがしました。