老後も希望が持てるかかも
現役引退までまだまだ時間はありますが、老後にこんな暮らしが待っていれば、さぞ幸せだろうなというお話。
この映画に出て来るシニア優遇雇用施策って物凄くよい制度だと思いますね。年上のパイセンの経験ってのは、やっぱり得難いもの。今の時代にマッチしていないから、そもそも年配の人の声なんぞ役に立たないよという声もありますが、僕としては前者。実際の仕事でも、キャリアを積んでいる年配の方々のアドバイスってのは、自分とはまた違った角度でモノを見ているので、気付かされることもしばしば。
で、この作品も、どちらかと言うとそっちら系のトーンでまとまっています。
急成長のネット企業にシニア
舞台は新興のネットEC企業。取扱商材はアパレル。
アン・ハサウェイ演じる女社長、ジュールズが、個人で初めたサイトが、今では社員数300名弱の会社にまで急成長。
仕入れの商品から、サイトデザイン、お客様相談、物流、データ解析全てをチェックするというワンマンぶり。
分刻みで会議や打ち合わせを紹介し、時短化で社内は自転車で移動。
新興ネット企業ならではといった感じ。
そんなスピーディな会社に、何故かスピード感の乏しいロバート・デ・ニーロ演じるベンが、ジュールズの御用聞きに配属されます。
最初は煙たがるジュールズ
ある意味、企業イメージの改善で雇われたシニア組ですから、実務レベルの戦力としては見ていない訳です。
なので、「私がメールするまで特に仕事はしなくていい。」と冷たくあしらわれます。
が、ベンは落ち込むそぶりも見せず、ただだひたすら自分の机で新聞を広げながら、ただただボスからの指示を待ちます。
んで、初めて任されたのがスーツの染み抜き。
ネット企業に採用されたのに、クリーニング屋が行う仕事を任されます。
けど、落ち込むことなく淡々と仕事をこなしていきます。
立ち入らない紳士的振る舞い
現役時代はそこそこの規模の企業で部長職を任されていたベンですが、今の立場、置かれている自分を客観視できているのか、出過ぎた真似は一切ない。
立ち入ったような発言をした場合には、素直に謝ったりと、年の功と言いますか、紳士だなと感じました。
こうゆういい意味で押出の弱い人は個人的に一緒に仕事をする仲間としては大変助かります。
ジュールズもそんなベンの紳士的な姿勢に好感を持ち、特別待遇枠からそれなりのポストへ昇格させていきます。
しまいにはプリベートなことまで相談してしまう程。
年上の人を敬う現役の姿勢とほどよく自分を出すシニアの想いが見事にフィットしました。
どちらか一方にその姿勢がないと、この関係は破綻するでしょうね。