親心を知らずに家を飛び出す
小さい時にジョッキーだった母を亡くし、10人兄弟の末っ子に生まれた彼女。しかもお家は競走馬を持つ厩舎を運営しており、小さい頃から馬がある生活が当たり前という環境。
お兄ちゃん、お姉ちゃんもジョッキーとして地方の競馬に参加して、数々のタイトルを手にするなど、ジョッキーの世界では名門の家系でした。
そんな環境に生まれたこともあってか、主人公ミシェルも将来の夢はジョッキー。しかも世界最高峰のレース、メルボルンカップで優勝をすること。
小さい頃の夢なんて、年齢を重ねていくにつれ、しぼんでいくものの、彼女の場合は、どんどんと膨らむ一方。この強い信念こそが彼女の持ち味とも言えます。
とは言え、数々の衝突を繰り返することになるのですが、まずは父親との衝突。ジョッキーとして地方のレースで優勝するなど順調に実績を重ねてきた彼女。が、父の元ではレースの出場が月1回程度。これではジョッキーとして成長が望めない。
てなわけで、父の静止を振り切り、大手競馬場の調教師との職を求め、家を飛び出します。
どの世界にもあるんだな。女性蔑視の現実
何とか大手競馬場の調教師の職にありつけ、見習いジョッキーも兼任しながら、レースへの出場を目指しました。
馬主に自分を売り込むも、馬主からセクハラまがいの仕打ちを受けるなど、女性ジョッキーがいかに軽んじられているのかを目の当たりにします。
が、そんな事でへこたれるような彼女ではなく、ならば実際に乗っている所を見せつけてやろうと許可が降りていないにもかかわらず、テストジョッキーとしてコースを試走。これを見ていた馬主の目に止まり、ジョッキーの道を自らこじ開けることに成功したのです。
G1を走るために過酷な減量を受け入れた結果・・・
その後、トントン拍子で、地方レースに参戦する日々が続き、あるレース終わりに、G1レースでの騎乗を打診されます。念願のG1レースで騎乗できることは、彼女の夢がかなり前進することを意味します。
1週間で3kg減量という過酷な条件を提示しながらも、彼女はすんなりと受け入れ、レース当日に何とか条件をクリアします。力石徹でもここまでは過酷な減量はしなかったのではというレベルでしたが・・・
頭蓋骨骨折でも夢を叶えるために復活
過酷な減量でフラフラ状態。目もかすみまともな状態でないのは明らか。これが大きな災難に見舞われる原因だったのでしょう。そのレースでは見事1着でゴールインするものの、直後に落馬して頭蓋骨骨折という選手生命が絶たれるような大事故に見舞われます。
自分の名前すら、言葉にできず文字を書くことさえままならない。ジョッキー生活もこれでおしまいかと思いきや、これもメルボルンカップ優勝という強い信念があったからでしょう。
見事復活を果たし、しかも最強の相棒馬と出会い、復活後はこの馬を駆って数々のレースで優勝をかさらっていきます。
そして、いよいよメルボルンカップ出場を手にすることができたのです。
前例がない。だから何?レースに勝ちたいという強い信念が大事なのよん
念願のメルボルンカップ出場を目の前にして、意気上がるミシェル。が、馬主達の集まる集会では彼女に騎乗させることに後ろ向き。伝統あるメルボルンカップで女性ジョッキーで優勝した人はいない、タフなレースなのに女性が太刀打ちできるのかなど否定的な声ばかり。
煮え切らない馬主達の話し合いの中に、半ば乱入状態で駆け込んだ彼女は、理屈でなく、自分自身の意気込み、勝ちたいという強い想いをアピール。
これが彼らの心動かすこととなり、彼女に託すことが決められたのです。
結果はわかっていながらも、あまりの頭数の多いレース。序盤は後方待機を決め込み、直線勝負というのはわかるものの、前方はほぼ馬群でふさがった状態。これで本当に勝てるのかというハラハラドキドキの連続。
最後まで楽しませてくれる映画でした。