持つかな~3時間弱の長尺映画にたじろぐ
1977年に公開されたリメイク版となる本作品。ホラー映画の新境地を開拓という触れ込みで、期待値も上がりまくりましたが、3時間弱の長さに、途中で飽きてしまうのではと不安を感じましたが、終わってみれば休憩なしで最後まで観賞。
とにかくストーリー的にはかなり難しかったものの見応えある作品でした。
天才ダンサー現わる。その名もスージー
西ドイツにある名門中の名門であるマルコス舞踏団に、あるダンサーが入学する所から本作品が始まります。
名門舞踏団だけあって、皆厳しいオーディーションを勝ち抜いてきたエリート揃い。そんな狭き門の中、彼女は舞踏団の先生方に入学させてくれと直談判。
厳しい舞踏団の先生達を前に、音楽なしで踊るというハンデを背負わされながらも見事に踊りきり、先生方を驚かせます。この娘はモノが違うということで、ダンス終了後、トントン拍子で話が進み、その日のうちに入学が決ります。
この天才ダンサー、スージーを演じたのが、フィフティ・シェイズ・オブ・グレイでお馴染みのダコタ・ジョーンズ。純朴さでダンス一筋の真面目な女性が、あのフィフティ・シェイズ・オブ・グレイの主役を演じた女性ということに後から知ることとなり、なんて振り幅の大きい女性なんだとあらためて驚かされました。
お父さんは心配でした。だっていわくつきの学校なんですもの
彼女の才能を高く評価してくれたのが、学校のカリスマ振付師のブラン先生。彼女に何か光るものを感じたのでしょう。ほぼほぼマンツーマンで彼女を指導を行います。
そして、入学して間もないのに、あるダンスの主役に大抜擢されます。その後も、ことある事にブラン先生にお部屋まで招き入れられ、ダンサーの心構え的なものを事細かく教え込まれます。
ただ1点気になったのが、先生に怒りを買った時にひどい仕打ちに合うというもの。スージーが主役に大抜擢されたのも、その前の主役が、学校を退団することになったから。
この女性が最後となるレッスンで、ブラン先生に噛みつき、暴言吐き捨ててレッスン会場を出ていった後、謎の死を遂げます。骨が突き出し、関節が逆方向に曲がり、ありえない姿勢で最後には泡を吹いて、瞳孔は開きっぱなし。
スージーもこんな目に合わないかハラハラ・ドキドキ。時にはブラン先生と意見が衝突することもあり、ヒヤヒヤものでしたが、大事に至らずに公演日を無事迎えることができたのです。
魔女たちが巣くう悪魔城、マルコス舞踏団
ブラン先生の逆鱗に触れた生徒の死のシーンを見て、オヤオヤと思いました。この学校、どこかおかしいと。謎の死を遂げた生徒の前にも、何人かの生徒が失踪する事件が頻発していました。
警察が失踪事件ということで、学校を捜査することになった時も催眠術でもかけられたのか、ズボンを脱がされ呆然と立ち尽くし、学校の先生達に遊ばれる始末。その後は、この学校での出来事は一切記憶から消去されている始末。
このような事件から、ようやくこの学校の先生方が、特殊な能力を持つ魔女集団であることに気づきます。
とんでもない学校に入学してしまったスージー。この先、魔女たちに良いようにやりこめられてしまうのか、はたまた自我を侵食されることなく学校を後にし、殺されてしまうのか。
この結果が、どちらに転ぶかが本作品の大きな魅力とも言えます
まさかの大魔王降臨?
魔女の世界にも派閥争いがあるようで、ブラン先生とその他先生の間で、大きな派閥争いが行われていました。
ブラン先生がスージーに深く興味を持ったのも、非凡な才能を持つ彼女なら、自分の派閥に取り込めば、形勢は一気に逆転すると期待したからでしょう。
ところが、ブラン先生の目論見は見事に外れることとなります。
なんと、スージー自体が魔女。しかもただの魔女ではなく、3大ボスの一人という大魔女だったのです。ブラン、その他の先生が崇めるマルコスもボスですが、彼女たちよりも大きな力を持っていたのです。
結果的に彼女の中の魔女を覚醒させてしまったブラン先生。飼い犬に噛まれたレベルではないほどの被害を被る結果になったのです。
今、覚えば、スージーの非凡な才能は、大魔女だからなし得たものということに納得しました。