遺産相続で揉めるはよくあるけれど
DV父の死去により広大な土地を手に入れた兄弟。とは言っても一般家庭とはちょいと異なり、かなり歪んだ親子関係。幼少期から絶対君主の父に殴る蹴るの暴行を受けて育ったものだから皆、家族に対する愛はゼロ。
長男の一郎は中学生位のくせして家を飛び出しちゃうし、それ以来消息不明。
残った次男、次郎、三男の三郎も長男は俺たち置いて逃げたという想いが強く、愛というよよりも憎悪の方が深いといった感じ。
このような関係で遺産相続となったものだから、モメにモメてしまいには死人まで出すというとんでもない事件に発展しちゃいます。
地元経済活性化に絡んでいるとはついていない
この遺産となる広大な土地が、アウトレットモールの建設予定地であったため、土地を相続することで今のポジションよりもさらに上に行けると踏みました。
三郎は遺産には全く興味がなく、次郎の好きなようにしてくれというスタンス。
争う相手もいない無風状態のため、事はなったと思いましたが、長男一郎の30年ぶりの凱旋が起き、土地相続は暗礁に乗り上げてしまいます。
しかも、兄貴は公正証書を何故か持っており、土地は売らないよの一点張り。
頑固な所は父親譲り。これには次郎も三郎も困り果ててしまいます。
地上げ屋よりもタチが悪い
土地の取得が厳しいと分かり次第、早速、先輩議員が裏社会の人間を使って土地取得計画を進めます。
何としても地元にアウトレットモールを誘致したい。それだけ市議会議員の懐もさぞ潤うのでしょう。
この指令を受けた裏社会の怖いお兄さん達は、何と三郎の上司に当たる連中。
最初は、遺産などいらないと無関心だったのに、上司から「長男から土地の権利をもらってこい」と言われたものだから、三郎もこの騒動に巻き込まれることになりました。
長男が権利を譲ってくれる可能性は低く、このミッションを降りると伝えた所、目をそむけたくなるような衝撃的なシーンが目の前で行われます。
加えて三郎の商売道具、デリヘル嬢数名をコンテナに詰めて全員殺すぞと脅迫されたものだから、再びこのミッションに戻ることに。
かくしてこのミッションが無事成功するのか否かは見てのお楽しみです。
兄弟それぞれに守るもの
この3兄弟を俯瞰して見ると、一番わかりやすかったのが次郎ですね。出世のためには兄弟も切り捨てるわかりやすさ。
三郎は、この件においての一番の被害者でしたが、彼の男気あふれる部下を守り通す姿勢は、素晴らしいと思いました。
最後に一郎。自分の生活を守るためかと思いましたが、親から代々受け継がれた土地を守るというスタンス。
若かりし頃に家を飛び出したくせに一番の家族想いという感じがしました。
父の死をきっかけに再会を果たす3人でしたが、地方議員の方々に弄ばれた感じがして、ちょっとかわいそうな感じがしました。