辞書作りに30年
Webが発達した今となっては、なんて非効率な現場なんだろうと移るかもしれません。
一つ一つの用語を紙に書いて、それが図書カードのような形で保存されている。ただその枚数が辞書の収録用語数と同じならうん十万は行くわけで、それを人間の力でまてとめた先人達は凄いなと素直に思いました。
辞書づくり30年ってそれって新卒で入ってずっと、同じ業務に従事するわけで、相当根気強くないと続けていられないでしょう。
1990年代が懐かしい
話の始まりは、1995年。まだネットもなく、パソコンもほとんど普及していない。当然メールもない中での辞書づくり。
今みたいにネットを叩けば答えがわかるという時代じゃないわけです。
外部とのやりとりも電話かFAx。自分の入社時代を思い出しました。よくもまぁ、こんなアナログな環境で仕事ができたなと。デジタルが普及して仕事も早くなったかと思いきや帰宅時間は昔とあまり変わらず逆に忙しさが増したような・・・・。
鬼の徹夜で校正
辞書ともなると校閲スタッフだけでは全然足りない。ので、バイト君も動員して校正作業をします。
バイトも文学部などでしょうね。それなりの素養がないと務まらないし、信頼のおけないバイト君をやとって、しっかり校正してもらわないと身も蓋もないですから。
最後にはどえらい編集ミスが発覚し、全員泊まり込みの校正作業となります。
オフィスの洗濯物を乾したりして、軽い合宿状態でしたけど。
が、発売日が公に発表されている以上、後戻りできない。
編集長の勇気ある決断だと思います。
かくゆう自分も徹夜で文字校正をしていました。
が、眠さに勝てず効率も上がらずやっぱり徹夜は逆に効率悪いものと感じました。
万感の思い。けど、まだまだ続くよ
結局、本作品の辞書は完成までには14年の歳月を要することになりました。
途中、辞書の発売の中止話があったり、人員を減らされたりと苦難の連続でしたが、発表記念パーティはウルウルとくるものがあるはず。
喜んでいるのも束の間、明日から改訂作業ですって。どこまで辞書作りが好きなのと思いましたが・・・。その作業中に誤植を発見したら卒倒しちゃうんでしょうね。
辞書はやっぱり紙
デジタルが普及はしていますが、アナログでずっと学生時代を過ごした身にとっては、紙の方がしっくりきます。
目的の言葉以外を探せるという魅力がありますし、逆にそっちの方が面白かったりしますから。
色々と気付きのあった作品でした。