これって男版売春婦
タイトルにあるノミ取り。これ江戸時代に実在した職業で、今で言えば男版の売春婦。
これが公然と行われていたことに驚かされました。
彼らが徒党を組んで、「猫のノミ取りいかがですか」と街を練り歩き、客引きを行います。
2階の窓から声をかける裕福そうな女性や、商家の娘、お手伝いさんを使って男を家に招き入れるなどなど。
今で言えばラッパを鳴らしながら近隣を回る豆腐屋さんに声をかける気軽さ。
江戸時代の女性は、性に対してはオープンだったのでしょう。
お侍さんの転職先
この蚤取り家業に挑戦するのが阿部寛演じるお侍さん。
長岡藩に所属する武士ながら粗相を起こして藩主の怒りを買い「蚤取りになって余生を送れ」という屈辱的なお仕置きを受けることに。
とは言え、本来なら打首の所、命だけは助けてくれるのですから、これまでの阿部寛の働きっぷりを少なからず評価してくれていたのでしょう。
まるでテルマエ・ロマエ
武士の世界から蚤取り屋となった阿部寛。
元々、真面目な性格だったこともありいざ女性を相手にすると全く喜んでもらえず、しまいには「この下手くそ」と罵声を浴びせられる始末。
これにひどくショックを受けた彼は、ご近所界隈では右に出るものはいないほど女遊びの猛者、豊川悦司演じる商人に教えを請うことにしました。
彼が女性と事に及んでいる様子を襖の隙間からのぞき見しながら、研究の対象として、一つ一つの動作に驚いたり、関心したり。
全てが初めて目にするものばかりで、まるでテルマエ・ロマエの阿部寛を見ているようでした。
昔も変わらない時の政権で右往左往
こうして豊川先生から多くのことを学び、女性を悦ばせるまでに蚤取り家業が板についてきましたが、時の政権が代わり蚤取り家業は犯罪行為として扱われるように。
食い扶持を失い、さらに幕府の役人に罪人として捕らわれの身となってしまったのです。
史実に基づけば、時の政権ボス田沼意次が失脚したのが原因。
彼は幕府の財政を立て直そうと、商業の育成に力を入れ多少の怪しい商売も認めていました。これにより財政は持ち直したものの、賄賂なども横行。田沼意次自身も賄賂に手を染めていたことで失脚。
商人による我が世の春はこれにより一気に萎んでしまったのです。
最後はしっかり締まりました
果たして、蚤取り侍こと、阿部寛の処遇はいかに。
罪人として処刑を免れたとして食い扶持がない。
別の職業につくか、それとも浪人としての余生を送るか。はたまた武士としてカムバックできるのか。
最後は驚きの結末が待っています。
ぜひご覧ください。