精神科医もなすすべなし。また繰り返しちゃうのねにゾッとした「脳男」

脳男日本映画
脳男

まさにキラーマシン。無表情だからさらに怖さ倍増

図鑑であったり教科書だったり、一度目にしたものは全て記憶しちゃう。学生時代にそんな能力が欲しいと何度思ったことか。

親はその才能に気づき、学力を伸ばして良い大学に入学させようと頑張るのが一般的なのに、何故か人殺しのマシンとして彼を育て上げます。

感情を一切顔に出さず淡々とフルボッコにする姿は恐怖そのもの。加えて、この人物、痛覚がないのか、殴られようが刺されようが全く怯む様子など全くなし。まるでゾンビのように向かってくるのだから、対峙した相手は相当苦労することでしょう。

脳男

そんな彼がある連続爆破事件に巻き込まれてしまいます。

キラーマシンよりもさらに先を行く残虐性

この連続爆破事件の首謀者は未成年と思われる若い女の子。自分たちを報道したキャスターやら、占い師などを次々と誘拐しては爆破して殺してしまう。

爆弾制作の技術力もさることながら、腕っぷしも優れているのでしょう。大の男が簡単に後手にロープを縛られてしまうのですから。

とにかく人が苦しんで死ぬのが大好物という、かなり猟奇的な思考を持つ彼女たち。行き過ぎた彼女達の犯行に、キラーマシンが天罰を加えることになったのです。

キラーマシンこと脳男は、世の中の悪を絶つということが使命のようで、密売人やら犯罪者を次々と殺めてきました。で、次なるターゲットとして、連続爆破事件の犯人を仕留めようと彼女たちのアジトに向かったのですが、すんでの所で逃げられてしまい、何故か彼が連続爆破事件の犯人に仕立てられてしまうのでした。

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つらい過去を持つ松雪泰子演じる精神科医

警察に捕まってしまった彼の精神分析で選ばれたのが、松雪泰子演じる精神科医。この彼女、過去に精神異常者に弟を殺されるというつらい過去を経験。

しかも、その犯人の更生を任されるという胸の張り裂けるような経験をしてきました。更生プログラムを終え、まともになった彼に自分のプログラムが正しいかったことに喜んではみたものの、どこか素直に喜べない所もあったのでしょう。

数々の患者を診察し、更生させてきた彼女にとっても、このキラーマシンはこれまで診てきた患者とは全くの異質なもの。精神異常者であることは確かですが、彼を更生させていくのは至難の技と悟ったことでしょう。

怪物vs怪物がオチでない所が、本作品の醍醐味

エンディングでは、キラーマシンこと生田斗真と爆破事件の首謀者の女子との一騎打ちとなります。

病院を爆破するなどエスカレートする彼女に、キラーマシンの堪忍袋の緒が切れたのでしょう。悪は退治するという指令が発動し、クルマに何度もひかれても立ち向かっていく姿はまさにゾンビと言ってもいいでしょう。

脳男

勝敗の行方はさておき、最後のシーンには、どこか虚しいものを感じました。やっぱり一度手を染めたものは、もう一度繰り返してしまうというもの。幼児誘拐やら虐待、破廉恥行為などなど。更生プログラム上では、再犯する可能性は低いとまで立ち直ったかに見えたものの、その心の奥底には残っているんだなと。

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精神科医もつらいよと思った次第です。

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