作品がかなり斜め上を言っている
伝説の鬼才と呼ばれている若松孝二監督。恥ずかしながらこの作品で初めて知りました。
作中に彼の作品がいくつか紹介されましたが、どれも思想的とも言いましょうか、エロをここまで哲学的に昇華させちゃう所は今の世の中でも十分通用するんじゃないかなと
「あなたはセックスに負けたから子供を堕ろしたのよ」のセリフにはほぼほぼ理解不能。
とは言え、若者世代を中心に当時人気があったとのこと。
世代的には団塊世代、学生運動の頃でしょうか。共感を覚えてしまうのでうから、しっかりと作品のメッセージをしっかりと理解できたんでしょうね。
原稿作成は鉛筆。とにかく新鮮
1960年代の世界を描いているんですが、その当時の雰囲気がよく作り込まれています。
挑発気味の髪型やファッションなど。主人公のオーバーオールやGパン姿には、今とは違う当時っぽさが出ていてました。
昔の写真を見るに、母も確かにこんな格好をしていたなと。
ファンションに限らず生活シーンにおいても当時はパソコンがない時代。
脚本を書くにあたり原稿用紙に鉛筆で書く姿には懐かしさを感じました。
確かにパソコンのない時代は、こうして鉛筆を使ってノートを取っていたなと。
とにかくよくタバコ吸うね。 他にも今より喫煙に対してはそんなに厳しくなかったこともあり、事務所で、飲み屋で、喫茶店でタバコをスパスパ。 当時の人にとっては、肉体的、精神的休憩にはタバコは不可欠だったんでしょう。 しかもhighlightを吸っている所が玄人っぽくて時代の空気感が出ていました。 溜まり場は喫茶店
今みたいにファーストフードやファミレスのなかった時代の打ち合わせ場所といえば、喫茶店。店内内装は茶色系の木製が中心。
照明も暗くどこかジメッとした感じがしますが、好んで皆、打ち合わせ場所に選んでいました。
当時の若者の溜まり場に喫茶店は有用な場だったのでしょう。
こんな小規模でも映画がつくれるんだ
この若松プロダクション。10名にも満たない人数ながら次々と作品を発表しちゃうのですから、個々人の才能が非常に高かっったんでしょうね。
映画づくりとなると100人を超えるような大所帯をイメージしましたが、逆にこんな少人数でも映は作れるんだなと驚かされました。
若松プロダクションを見て、映画づくりというのはこんなんに人を熱くさせるものなんだなと感じました。
こんな熱いハートを持った人が今の世の中、どんだけいるのかなとも思いました。