専守防衛とはここまで大変とは
自ら攻撃を仕掛けるのでなく、自分を守るための攻撃。言うは易く行うは難しというのを本作品で何となく知ることができました。
敵からの容赦ない攻撃に時にはスルーしてみたり、敵から発射されたミサイルを迎撃したり、とにかくカウンター攻撃しかできない歯がゆさと言ったら・・・
ボクシングで言えば、一発も手を出さずひたすら相手の攻撃をかわすのみ。こちらが倒れてまうという危機に瀕した時だけしか攻撃は許されない。
これってある意味、王者の余裕の戦いっぷりにも見えますが、中の人はそれはそれは緊張の連続。一つのミスが大惨事を招くのですから。
洋上、海中、空と大忙し
洋上での戦艦同士の戦いならまだしも、海の中では潜水艦が執拗に魚雷を打ち込んでくるし、空から戦闘機からミサイルを発射するわで、全方位に目を向けないとやられてしまう。
全体を仕切るボスの手腕による所が大きいですが、本作品の艦長はいたって冷静。まるで相手の出方を手にとるように把握しているのか、発信する命令が全て良い方向へ進んでいきました。
しかも戦争に発展させず戦闘で終わらせるという国からの命令を守りながらの戦いとハードルが一段階高いのに、それを苦にせず焦りの顔も見せず淡々とこなしてしまう。西島秀俊ファンがさらに増えたこと間違いないでしょう。
謎の主権国家とは一体何者?
日本に戦いを挑んできた謎の民族国家、東亜連邦がこれまた凄い。
ポッと出の主権国家のくせに軍備は最新鋭。潜水艦、戦艦、戦闘機どれも日本と遜色ない。しかも空母も持っているという有様
どの国が陰で糸を引いているかは作品の中では出てきませんでしたが、もう少し相手側を深堀りして見せてくれたらなとちょっと物足りなさを感じました。
外交とはかくも難しいとは
今回の局地的な戦闘で、痛み分けという所で戦争までに発展することなく終わることができました。
相手を完膚なきなまでに叩きのめすことも可能ですが、今後の国際世論、相手国の恨みをかうことを考えると、引き分けが最良の結果とのこと。
このやりとりを聞くに外交とはいかに難しいものかというのを感じました。どうしても感情というものが介在するようです。
中井貴一がいい味だしてる
洋上のピリピリとしたシーンが続く中で、箸休め的な役割を担っていたのがコンビニ店長の中井貴一。
クリスマスイブを迎え、子供用のおかしの詰め合わせづくりで大忙し。徹夜続きで起きたら、戦闘が終わっていたという何とも間の抜けた感じがやけに印象深かったです。
それにしても自衛隊ものの作品は現実に近いものもあり、いろいろ物議を醸す中、映画化したのは凄いなと感じました。