生理を擬人化。どこか親しみを感じる
小学校の保険体育で学ぶ大人の身体の仕組み授業。当時を振り返ると何を言っているのかさっぱりわからなかったけど、この作品ならば親しみやすく、わかりやすく伝わります。
生理をブサイクなキャラクターに擬人化して、どんだけ女性がその期間、しんどくて、イライラして、眠気マックスなのかが描かれています。
身体が重いという表現では、生理ちゃんを担ぎながら通勤する姿が描かれ、確かにこんな図体のでかいキャラを背負わなくてはいけないとなれば、男性でも、その重さが尋常ではないのかがわかります。
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こんな時に来ないでくれよ
ライターさんから全く連絡がなく、明日に締め切りを控えている状況。ライターさん宅に突撃訪問するという緊急事態に限って、生理ちゃんがやってくる。
なぜ、このタイミングに来るというシーンが、いくつも描かれています。女性にとってはあるあるの話なんでしょう。
このように女性にとっては招かれざる客なのに、そんなことはお構いなしに必ず月イチで現れる生理ちゃん。肝が座っているというか、鈍感というか、そんな気配り一切なしというスタンスも、毎月毎月されると次第に受け入れてもらえるものなのでしょう。
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アトランチスの謎って趣味が渋すぎるんですけど
本作品では二階堂ふみが主演ですが、それにも増して存在感を示したのが伊藤沙莉演じるフリーター。昼間はオフィスなどの清掃スタッフとして働き、お家では親ともほとんど会話せず部屋にこもってゲームざんまい。
しかも、そのゲームがファミコンのアトランチスの謎。タイムリーにその存在を知る僕にとっては、確かクソゲー扱いされていた作品だったと思います。他にもいっきという作品もあり、相当変わった趣味の女の子を見事に演じています。
自分なんか主人公になれないと卑屈になって、世間に対してSNSで毒を吐く。この投稿がこれまた秀逸。芯を食った表現は、するどい観察力がなせる技でしょう。
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年頃の女の子の心を開いた共通点
主演の二階堂ふみはと言えば、子持ちの男性と恋に落ち結婚を迫られるもなかなか踏み切れないという微妙な状況。
原因は、年頃のお子さん。距離感を縮めようとあれやこれやと頑張るものの、全てが裏目。手料理を作っても、母親気取りしてるんじゃねよと冷たい仕打ちを受け、床に転がるハンバーグを拾う姿に哀愁が漂っていました。
そんなお子さんと距離を縮めてくれたのが、生理。男親なもんだから、何をしていいかわからない。そこで女性として大先輩の彼女に助けを求め、ここぞとばかりお子さんのために薬局にかけこみ、対応してくれます。
これをきっかけにお子さんとの距離がグンと縮むようになったのです。
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性欲君ももっと見たかった
生理ちゃんがフィーチャーする中、男性側のキャラとして現れたのが性欲君。受験を控え彼女と一緒に勉強をしている時に、不意に訪れる性欲を、これまた擬人化して表現しています。
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それを抑え込もうとうする男子の姿に偉いなと思った次第です。