ネットは扇動ツールとして効果的
この作品、twitterのつぶやきと連動して話が展開します。ある殺人事件をきっかけに、事件の真相を追うテレビ局スタッフが、事件の内容をつぶやき、それをネット民がフォロー。
でも、これって犯人が意図的に仕込んだ罠だったというのですから、現代っぽいとも言えますよね。
巧妙な罪のなすりつけ
自分が犯人と思われないように、知り合いの先輩を犯人に祭り上げるというもの。
テレビ局勤務の人間であれば格好のネタ。
自分が被害者の女性を知っていると情報提供し、彼を使って世間の目を自分からそらそうと画策し、見事に成功しました。
罪をなすりつけられた井上真央がかわいそすぎる
本作品の被害者が菜々緒。包丁でめった刺しにされ殺されます。んで、加害者と疑われたのが井上真央です。
両者は対極的で、会社からチヤホヤされて華のある菜々緒に対し、地味で目立たない存在の井上真央
しかもこの2人同期入社。何かつけて比較されことから、菜々緒に対する嫉妬から犯行に及んだのでは?といささ短絡的ですが、そのように井上真央を陥れていきます。
この定型フォーマットにハマったらもう最後。
井上真央犯人説が真実味を帯びてきて、彼女はどんどん追い込まれていきます。
人の記憶は自分の都合の良いように書き換えられる
このフォーマットに意図的にはめようと会社の人間や親類、地元の友人などに取材を行います。
で、世間が井上真央犯人説で染まっているものだから、証言内容も「昔から変わったところがあった」とか「菜々緒に嫉妬心を抱いていた」とか。そっちの方向に扇動されています。
結局、証言者の都合の良いように情報って書き換えられたり、盛られたりするんです。テレビの取材ともなれば、過剰に盛るのも無理はありませんけど・・・
ただ井上真央の証言と乖離の幅が半端ないものだったので・・・。
昨日までの罵詈雑言は・・・
結局は犯人が捕まり、井上真央の冤罪が確定します。それまでの井上真央犯人説は鳴りを潜め、手のひらを返したかのように「かわいそう」とか、「私は味方だよ」と擁護するコメントに大きく様変わり。
SNSの怖さを実感しました。
まとめ
この作品、ネットやテレビの情報を鵜呑みにしちゃだめだよということと、人の記憶は自分の都合のよいように書き換えられることを伝えたかった感じがしました。
まさに自分のことを言っているようで改めねばと思った次第です。