独特のゆるさががまらない「トウキョウソナタ」

トウキョウソナタ日本映画

まるでドキュメンタリー

テーマは、「やり直せるならやり直したい」って感じ。物語は淡々と、そして揺る~い感じで進行します。登場人物に感情移入は全くゼロ。まるでドキュメンタリー映画を観ているような感覚

ある家族の暮らしに除いてみました感たっぷり

家族団らんで食卓を囲む、息子は学校で先生に嫌われ、大学生の長男は海外留学、そして父はリストラされて職探し。

普通に考えれば、それぞれの今抱える問題を掘り下げて話を進めれば広がりはあるものの、そこはサラッと浅く。でも、その力の入っていない感じがもの凄く居心地がいい。

役所広司の唐突感もさらっと。

普通の映画なら、彼の登場をきっかけにクライマックス突入。家族力を合わせて、この難局を乗り切ろう的なノリになるのが普通。

けど、このトウキョウソナタはそんなありきたりのフォーマットにははまらず、予想を裏切る展開が待っています。

トウキョウソナタ

キョンキョンのママ役が秀逸

話は変わって、キョンキョンの役どころのお話。旦那を一応はリスペクトし、子供に対しては対等に。叱るのではなく諭すように、そして子供の意見を尊重。こんなママであれば、家庭内のきしみもないんだろうな

旦那のリストラに、息子の大暴走。普通なら逃げ出したくなるものの、スーッと受け入れちゃう懐の深さ。キョンキョンが演じることで、さらに深みが出ています。

人それぞれやり直したいと思い、この場から抜け出したいとは思うけれど、立ち止まって回りを見渡すと、今おかれている環境も、そう悪くはない、受け入れるのもありだよと受け止めた次第です。

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