ポツンと一軒家ばりの山奥での暮らし
人里離れた山奥で、ひっそりと暮らす。たまに訪れるのはご近所の大工さんと仕事関係の人。
寂しい感じはするけれど、本人はその暮らしに満足しているようで、充実した暮らしを送っています。
これも日々変化する自然を身近に感じることができるでしょう。
ポツンと一軒家に出てくる人たちも、きっと自然の移り変わりを直に感じることが気に入っているからこそ、不便とも思わず、その生活を満喫しているのでしょう。
土鍋で炊くお米がおいしそう
本作品は、食がテーマ。季節ごとに変わる旬の食材を、ひと手間、ふた手間かけて調理していくシーンは、どこかドキュメンタリータッチでフィクションさながら。
特にリアリティがあるのは土鍋で炊くご飯。ふっくらとツヤのあるお米が炊きあがるシーンには、こんな暮らししてみたいと思わせちゃうほど破壊力があります。
炊きあがったお米は、お櫃に移し替えると丁寧さっぷりに、鍋でインスタントラーメンを食べてしまうことに罪悪感を感じてしまうほど、いたく感動しました。
山は食材の宝庫
おかずはと言えば、季節に併せた山菜。水菜やタラの芽、他にも多数登場しますが、こんなにも人間が口にできるモノが山には生息しているのかと驚かされます。
あの沢には行けば、水菜が、あそこはなめこが取れるとしっかり熟知しており、今年も採れるかなという楽しみも、生活にさぞ潤いを与えてくれることでしょう。
散策は、良き運動にもなりすまし、こうゆう暮らし方もあるんだなと、逆に贅沢と感じてしまうほどです。
究極の自給自足
山奥暮らしなので、当然、お肉やお魚などはめったに食すこともなく、山から採れる食材で365日を生き抜く。
究極の自給自足ですが、世の家庭菜園者にとっては、垂涎の的であることは確か。
ヒザ下まで積もった雪の中に埋まる大根。厳しい寒さをしのげるためにわらを被せて保存したり、白菜は塩をふりかけて、これまた長期間雪の中で保管し、厳しい冬をしのいでいるのでしょう。
どれも昔の人は、このような生活を当たり前のようにしていたのでしょう。
どこか終活を感じさせる
自然と向き合いながら満足のいく暮らしはしているものの、どこか終の棲家であることも感じているのでしょう。
明日、明後日、数ヶ月、1年後を考えるからつらいのであって、今日1日に無事に生きられたことに感謝という言葉にハッとさせられました。