実在する人物をモデルに
北海道警察の実在する刑事さんをモデルにしている本作品。こんな破天荒な刑事がいたのかと驚かされっぱなし。
物語は、彼が北海道警察に就職してから逮捕されるまでを描いています。就職当時は1977年、服装も飲み屋もクルマも、事務所の雰囲気も当時の雰囲気が忠実に再現されており、それが年代別に、当時の雰囲気が伝わる作りとなっており、それはそれで十分楽しめます。
最初は真面目な人だったのに
こちらの主人公は、新入社員時代はそれはそれは真面目で柔道部という体育会系ということもあり、返事はオス、先輩には絶対服従で、言われたことは忠実に守るといった感じ。
それが署内のチョイワル先輩に飲み屋に誘われたことが、その後の彼の人生を大きく狂わすのでした。
先輩いわく、悪い人たちと手を結びなさいと。そうすれば基調な情報が回ってくると。んで、その情報を元に犯人を捕まえる。基本犯罪のレベルに応じて点数がついており、その総点数で出世が決まるとのこと。
これを知ってからというもの、手渡り次第にそれ系の人達に名前売り活動を進めていきます。
貴重な情報源ゲット
この時に知り合ったチンピラが後々まで彼と一緒に様々な犯罪捜査の手助けをしていきます。
手始めに、誰それが覚せい剤を所持しているという情報を聞きつけて、ガサ入れに入り、見事に犯人逮捕。加えて拳銃もみっけたものだから、さらに加点。
ある時は、拳銃の摘発件数キャンペーンなるものが実施され、平たく言えばヤラセです。舎弟の仲間も含めて、身元不明の拳銃でもいいから情報をよこせと。
そんなことをしていたものだから、全国でも北海道警察の摘発数が飛び抜けて高いという不可解なことまで起きてしまう始末。
そんなこんなで、手柄を多く上げるものだから、いつしか彼は違法捜査となれば、必要不可欠な存在となり、とんでもない仕事を自ら計画します。
泳がせ捜査で大失態
彼が考えた計画は、中国ルートで輸出される拳銃200丁を摘発するスケールのでかいお話。事を成功させるために、まず覚せい剤30kgの密輸を成功に見せかけ、相手が安心しきったところで、拳銃200丁を密輸させるという、泳がせておいて摘発という危険の伴う作戦を立てたわけです。
末路が悲惨すぎる
この作戦の成否は作品をご覧いただくとして、最後は地方都市に左遷となり、彼の人生は終息を迎えるわけです・・・。
作品タイトルの日本で一番悪い奴らと複数形となっていますが、それが誰を指しているのか、エンディングまで見るとわかります。
とにかく疾走感が半端ない作品です。