とんでもない軍隊式の会社
上司が怒号が飛び交い、怒りに任せて机を蹴ったり、モノを投げつけてきたり。
皆の前で、仲間がけちょんけちょんに怒られているのに、周りは我関せずと決め込み、黙々と仕事をしているフリ。
こんな会社に勤めたら、即メンタルやられちゃうだろうなと思いながら観ていました。
朝礼前の社訓の唱和は、軍隊と言ってもいいくらい。それが知らず知らずのうちにおかしいと感じず、当たり前のものとして受け入れてしまうのですから、怖いですね。
恐ろしい思考回路
主人公は新卒で、このブラック企業に就職。あるミスをやらかしてしまい、会社が損害を補償することとなった時の事。上司から皆の前で怒鳴られ、たたかれしまいには会社に損害を与えたのだから、皆に謝れと土下座させられれる始末。
さすがにこれはおかしい。ブチ切れて上司に食ってかかればいいのに、散々な怒られているものだから、思考回路は自分が悪い、なんて迷惑をかけてしまったんだという方向に走り、自分をどんどん追い詰めていきます。しまいには意識朦朧の中、本能からかこの生活から脱して楽になりたいと思い、駅のホームから飛び降り自殺を図ります。
意外に飲むと気持ちがほぐれる
と思ったら、すんで所で命の恩人が現われて、彼を窮地から救出。
これが本作のキーマンとなる福士蒼汰演じるニート。
聞けば、小学校の時に転校したもので、主人公を見て、昔の友だちを見捨てるわけにはいかないと助けに走ったとのこと。
吹っ切れると人間は強い
そして気持ちがふさぎ込んでいた彼のメンタルケアが始まったのです。
仕事帰りに飲みに誘ったり、休日はショッピングに誘ったりと。とにかく忙しいと家にこもりがちですが、そんな事お構いなしに主人公の彼を誘い出します。
リハビリの効果は抜群で徐々にやる気と自信を取り戻していきます。
なぜ、福士蒼汰がここまで彼に親切にしてくれるのか。それは過去に主人公と同じ境遇の仲間がいたから。その仲間を救えなかった事を強く後悔していて、同じような境遇の人を黙って見過ごすことができなくなったからです。
自分だけじゃない。仲間も一緒の境遇
自信を取り戻した主人公。会社という村社会でしか自分の存在価値はないと思っていましたが、福士蒼汰との出会いが彼の視界を広くさせ、家族を含め多くの人に愛されていることに感謝の気持ちを芽生えさせ、会社をやめることを決意したのでした。
彼が退職を上司に報告した時に、私も苦しかった。毎月のノルマで息苦しいという心の声を聞き、ブラック企業の恐ろしさを感じました。