業績復活の必勝パターン、リストラ
業績低迷の企業がまず手掛けるのが人員削減。とにかく支出を減らして収支トントンを目指しましょうと。
やめちゃった、いや、やめさせられた社員の仕事は、残った社員に引き継がれ、仕事量はアップ。今まで以上の忙しさを余儀なくされるわけです。
で、この考え方が今、不況にあえぐ鉄鋼業界に当てはまるのでは?ということで記事にまとめました。
新日鉄住金、業界4位を買収
中国を震源とする鉄鋼不況。供給過剰で価格はダダスベリ。中国国内限定ならばまだしも世界の鉄鋼業界全体にも影響を及ぼしているのですから、いい迷惑です。
日本の鉄鋼業界もご多分に漏れずで、鉄鋼不況をモロかぶり。ということで、企業の合併、買収が近年加速しています。
2012年には新日本製鉄と住友金属工業が合併。2016年には新日鉄住金が業界4位の日新製鋼を買収しました。
で、この話、買収した側の新日鉄住金からではなく、日新製鋼からの話を切り出したというもの。
生き残りをかけ、他社と合併して生き残る道を選びました。
高炉リストラがそもそもの理由
日新製鋼が保有する高炉は2基。鉄鋼不況ということもあり高炉を1基休止することを選択。
でないと稼働率が下がる一方。稼働率が下がるとコスト競争力も弱まる。つまり売れなくなるという話です。苦渋の選択とも言えます。
とは言うものの、1基だけでは飯は食っていけない、なら、この補填を他社から融通してもらおうということで合併となった訳です。
人に例えるならば、リストラしてスリム化して、他企業と合併するといった所でしょうか
果たしてシナジー効果は?
新日鉄住金と日新製鋼の合併でシナジー効果が発揮できるかが気になる所です。
ちなみに2012年に合併した新日本製鉄と住友金属工業は目標としていた年間200億円を達成する見込みとも言われ、シナジー効果を発揮しています。
新日鉄住金と日新製鋼が合併するとステンレス鋼という商材で国内シェアの半分を占めるとも言われ競争も優位に進められる。
生産設備や営業網の集約も進めていけばシナジー効果は十分に発揮できるのではないでしょうか。
まとめ
鉄鋼業界を題材にしたドラマで「鉄鋼業界の命は高炉」と言ってましたが、その命さえも犠牲にしないと生き残れないのが今の鉄鋼業界。
中国の供給過剰が一掃されれば、業界も息を吹き返すことでしょう。