優秀なIT人材を次々とスカウティング
ウォールマートのEC部門が半端ない成長を遂げている昨今、その原動力と言えば優秀なIT人材が多く在籍していることが挙げられます。
そのスカウティングも王者ウォールマートならではの大胆なもので、優秀なスタートアップ企業を買収するや、その人材を自社の部門に組み入れるというもの。
例えば、Amazonの対抗馬として注目されているジェット・ドット・コムの買収。CEOは第二のジェフ・ベゾスとも言われるほどの優秀な人材。会社ごと買収して、彼をEC事業のCEOに就かせています。
とは言え、スタートアップ企業も、そう簡単に大手企業の一部に組み込まれるのは躊躇するもの。
そこもきっちりと折り込み済みなのがウォールマートの凄い所。GAFAなどの給与やストック・オプションを常にチェックし、よりよい条件を提示しているとか。
ウォールーマートが次々と優秀なIT人材を抱えていることを考えると報酬もGAFAなみ、いやそれ以上な感じさえします。
社内向けアプリが秀逸
IT化に驀進となると、目に見えた成果を出すといことで、対顧客に目が行きがちですが、ウォールマートは社内向けにもしっかりとIT化している点が素晴らしい。
ウォールマート版のSiriを開発し、社内に展開。例えば精肉売り場のバイト君が「ラム肉の切り方は?」と質問を投げかければ、ご丁寧な写真がついた解説ページが紹介されるようです。
といったかなり些末な所もケアしているのが、このアプリのすごい所。当然、マネージャークラスが使う勤怠管理表なんかもこれで呼び出せちゃう。
これまで会社に戻らないと確認できなかった作業が外出先でもサクッとできてしまうということで中の人には大変評判がいいそうです。
リーンスタートアップってまさにIT思想じゃん。
このアプリの開発思想が、数年前に流行したリーンスタートアップに近いものがあります。
最初から完璧版も出すのではなく、必要最低限の機能でローンチして、市場の声を聞きながら調整をかけていく。
このアプリも当初は商品の価格くらいしか答えられませんでしたが、社員に使ってもらうことで集まった質問内容を分析して、機能を追加していき、今の使えるアプリにまで育ちました。
この先もまだまだ進化していき、行く行くは一般顧客にもこのアプリが開放されることでしょう。
すぐ撤退の潔さ
他にもIT企業っぽいなと思ったのが撤退の早さ。ずるずると日の目を見るまで続けるのではなく、ダメと思ったら即座に見切りをつける。
IT企業の多くは、様々なサービスを世に送り出すものの、脈なしと思えば即座に撤退します。それを巨大企業のウォールマートがしているというのですから驚きです。
バーコードを読み取る買い物、スタッフを使った宅配サービスなどは早々に撤退したサービス。
とは言え、この失敗から学び、改良を加えつつ別のアプローチを模索するのもぬかりありません。
スタッフによる宅配サービスもギグワーカーを使うなどして、宅配サービスの向上に余念がありません。
小売もIT化の時代か
小売業として絶対王者と見られていたウォールマートですが、ここにきてIT企業的な色合いを濃くしており、小売にもITが必要不可欠ということが伺えます。
日本のスーパーもIT化を進め、目に見える形でサービスを展開して欲しいものです。
とりあえずはドライブスルーはぜひとも早期似実現して欲しい・・・。