事業部制とはよく言ったもの
2000年代初めに、盛んにもてはやされた選択と集中。成長の余地がある事業は残し、赤字体質の事業は売却しましょうというもの。
これを推し進めたのが東芝。社内カンパニー制なるもので次々と分社化していきました。
これが今考えると事業売却しやすい環境を作っていとも言えます。
電機会社の主な事業売却
例えば医療危機部門はキャノン、テレビ部門はハイセンス、白物家電はマイディア、で、今売却で揉めている半導体事業もそのひとつ。
東芝に限らず他の電機企業も同様、事業売却が進められていますよね。
パナソニックであれば、三洋電機の白物家電をハイアールへ、NECや富士通のパソコンはLenovoへ売却されています。
売却先は同業に限らず投資ファンドというのもかなりの数があります。
米ファンド大手のコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)は、日立製作所あから工具と半導体製造、パナソニックからはヘルスケアを買収。他にも中国系の投資ファンドやら日本の政府系投資ファンドが買収先として名乗りを上げているます。
瀕死の状態でもある事業をどうして買うのか、素人にはわかりませんが、彼らにしてみれば自分達なら、もっと稼げる商売にできるという自信みたいなものがあるのでしょう。
それまでと違う土俵で勝負
例えば富士通から携帯電話事後湯を買収した投資ファンド、ポラリスの取り組み。スマホ普及前により競争力を失った富士通の携帯事業を立て直すべく、「らくらくフォン」に特化して商売していこうというもの。
レッドオーシャンとも言えるスマホ市場は追わず、国内マーケットに絞り、高齢化社会により成長の余地はまだありと踏んだのでしょう。
恐らく富士通のままでいたら、そのような思い切った判断はできなかったでしょう。らくらくフォンと言えば、富士通のラインナップからしたら傍流。
まずプライドが許さないのでは。
このように、本体から切り離されることで、それまでのしがらみなどが一切なくなり、思い切った判断ができるのでしょう。
さらに投資って勇気がいるもの
新しい親分の元で、事業を再開するにあたって、増資をしちゃうともなれば、社員のモチベーションを上がること間違いなし。
パナソニックのヘルスケアを買収したKKRは、売りに出されていたバイエルの血糖値測定器事業を1400億円で買収しました。
本体にいた頃では、1000億円の買収案件となると恐らくGOサインはでなかったとも言われ、その思い切りの良さが話題にもなりました。
新たな親分の元、再びに輝きを取り戻す事業部もあり、経営者次第で、こうも稼きに違いが出るのかなとただ驚くばかりです。