クルマのエアコンも吹き分け
今回のエアコンの吹き分けに関するお話ですが、そもそも室内エアコンはこれまで自動でお掃除してくれたり、人を感知して風向を変えたりと目覚ましい進歩を遂げています。
で、次なる新機能とは吹き分け。
液晶テレビのように進化のネタがもうなく、3Dに手を出して失敗するような下手を踏むことなく、しっかりとニーズがそこにあるということを踏まえています。
暮らしに変化
昔で言えば茶の間、今風に言えばリビング。
家族が集い、各々好き勝手なことをしているあの居心地のよい空間です。
リクルートの調査によれば、「リビングの広さは妥協したくない」と答えた人が全体の約7割。
当然、その空間を快適に過ごすことができる空調も妥協できないわけです。
このようなニーズを知ってか知らずか、各社が吹き分け機能を独自にアプローチで実用化しているのが面白いところ。
人の放熱量を検知。パナソニック
リビングにいる人が暑いか寒いかを検知する温冷感センサーを持って、吹き分け機能を実用化したのがパナソニック
人は周囲に熱を奪われると寒く感じ、逆に周囲から熱を与えられると熱く感じるそうです。
で、この状況をカメラで撮影し、人の放熱量を産出します。
寒いと感じていれば放熱量は少なめ。なので、ガンガン温風を当てましょうと。
逆にリビングに既に3時間近くいて、放熱量が多ければ温風は弱めに当てましょうと。
外出先から帰ってきたばかりだと身体も暑いためエアコンを弱に。が、薄着に着替えてしばらく経つと寒くなってきて、また温度を上げる。こんなムラのある空調の使い方はなくなるでしょう。
行動追跡型検知。日立
リビングにいる時間を検知して吹き分けをしているのが日立。
カメラが15分起きに室内を撮影し、滞在時間を算出して、その時間の長さに応じて、吹き分けするというもの。
帰宅したばかりのパパには強めの風を、長くゲームに興じている息子にはほどほどの風をといった具合に吹き分けしてくれるのです。
サーモグラフィ化して検知。三菱
人体の熱画像を撮影して、吹き分けしているのが三菱
人は寒いと身体の中心部に血液を集めようとするため手足が冷たくなる。
その冷たくなった手足に向けて風を送るというものです。
これも人体をサーモグラフィ化して撮影する技術のおかげ
加えて、大人、子供の暑く感じる、寒く感じるの体感サンプルデータがエアコン内にあり、そのサンプルデータも参考にして、吹き分けをしています。
まとめ
三者三様で、吹き分けのアプローチが異なりますが、どれも内容を見る限りさすが日本のモノづくりといった感じです。
ペットもその内、吹き分けの対象になってくるんでしょうね。