国を挙げての取り組み
製造業のレベルアップを目的に今、中国ではものづくりに対して官民一体となって取り組んでいます。
旅客機、ロボット、エネルギ、バイオ、船舶、交通インフラなどなど広範囲にわたり、今回はその一つ、旅客機にままつわるお話です。
日本でも騒がれていたけど・・・
日本でも、久々の国産飛行機ということで、ホンダか三菱が製造した飛行機が話題になっていました。
何度も実用までの期日が延長されるなど、いかに飛行機づくりの大変か、伺い知ることができました。
で、日本がもたつくなく中国もテスト飛行を行うなど着々と旅客機開発が進んでいます。
機体名はC919。座席数は170席ほどで通路が1本。小ぶりな旅客機でしょう。
このクラスではボーイング、エアバスが圧倒的に強くほぼほぼ寡占状態。ここに割って入るのがC919という訳です。
まずは国内で実績を積み重ね
C919は中国国外で就航する型式証明の取得が難しく、就航エリアは国内に限られるという恐れがあります。が、巨大な市場ですから、国内だけでも十分なマーケット規模を持っています。
まだ開発段階ながらも、国内だけで既に500機以上の受注を獲得しているというのが、巨大マーケットを証明しているとも言えます。
一帯一路と一緒に考える
航空機需要は今後アジアを中心に増えることが既に予想されています。
このタイミングにC919が実用化されていれば中国の航空機産業は潤うこと間違いなし。加えて、中国の進める一帯一路構想にも深く関係しているようで、周辺国に飛行場を設けることで、航空需要もさらに盛り上がりを見せるのではと言われています。
2方向でグイグイと
ものづくり振興で、官民一体となって取り組んでいる中国ですが、モノを作った後のマーケットもしっかり育てているというのが僕の見立てです。
マーケットとは一帯一路の周辺国。陸のシルクロード、海のシルクロードとモノを運ぶベルトコンベアをつくり、その道を使って、大量の製品を流し込んでいく。
逆に製品を構成するパーツはこの道を使って送ってもらうことで、相手国も潤うというもの。
そう考えると、道は作ったけど流すものがないのはもったいないということで、ものづくりに力を入れ始めたのではないでしょうか。
それまでは、世界の工場と言われ、どちらかと言うと製造開発の川下といった感じですが、そのフェーズは他国にまかせて、ウチラは川上、上流を担っていきましょうという方針転換が透けて見えます。
経済が発展するに連れ、そうなっていくものなのでしょう。
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