流浪のメーカーというイメージだったけど
数十年前、日本がワゴンブームで湧いていた頃、ボルボと言えば特別な印象でした。あまたの国産ワゴンがある中で、「いつかはクラウン」のように、「いつかはボルボ」と夢見てました。
街中でもボルボを見る機会もさぞ販売好調かと思いきや、まさかのフォードの傘下入り。本国を含めると結構厳しかったようです。
で、今ではフォードを離れ中国企業の参加にあるとのこと。
まさに流浪の民といった感じですが、ボルボならではの安全思想は変わらず、親会社もそこは認めてくれているのでしょう。
EV化に舵を切る中国
最近新聞でも報道されている通り、EVに舵を切った中国。自国のメーカーを育成するという狙いが主だった理由かと思いますが、この発表は世界の自動車メーカーに相当なインパクトを与えたことは確かでしょう。
今ではアメリカを抜き、世界NO.1の販売台数を誇りますし、重要なマーケットであることは確か。
欧州勢が一気にEV化に突き進んでいくのも、これが少なからず影響していることとでしょう。
てなわけで、ボルボもこの波に乗るべく、電動化へと舵を切ることになったのです。
準備周到なボルボ
ボルボは2019年以降の新車を全てEVかPHVにすることを発表しまいたした。現在の販売台数の中で、これらの占める比率は15%の約8万台。これを2025年までに100万台にするという野心的な数字を掲げています。
今から数えるとあと8年位。時間もさほどない感じがしますが、早速2017年に第一弾となるEVを中国市場向けに発表します。ボルボラインナップのヒエラルキーの中で、EVの位置付けはハイエンドモデル、高級車という位置付けです。
戦略としては、まずは感度の高い富裕層向けのマーケットで勝負をして、そこから普及モデルへと拡大を狙っていくというもの。
この戦略は、かのテスラと同じ。で、ボルボ曰く、テスラから多くを学んだと公言しているとおり、参考にしていることは確かでしょう。
EV化ならではの仕掛け
EV化に合わせて、ボルボが取り組むのが新しいビジネスモデルの構築。平たく言うとリースサービスで、月額制でクルマを所有するといものです。
これなら既に日本メーカーでも実施していますが、複数のドライバーが1台のクルマを使用したり、使用していない時には給油してくれるなど至れり尽くせりのサービスも付帯するというのが特長。
これらを実現するために、スマホをクルマのキー代わりにするなど、着々と準備が進められています。
小さい会社だからこそリスクを恐れず新しいことにチャレンジしていかなければならないという社長さんの言葉がやけに胸に響きました。
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