所有から使用へ
クルマを所有することは、ごく当たり前のことと捉えていました。レンタカーやらリース、タクシーにライドシェアなどなど様々なサービスが世に出たとしても所有欲に勝てず、マイカーを購入してしまう。
ただ週末しか使わず、平日は車庫に眠っている状態。もったいないなという気持ちは多少なりともあります。
最近、リース台数が20万台を突破したというのは、所有から使用への変化の現れではないでしょうか。
この消費者のマインド変化に敏感に反応したのが、世界のトヨタ。
王者と言えども慢心は微塵もなく、攻めの姿勢で自己変革する姿はさすがと言えます。
AI、自動運転が後押し
この所有から使用への動きは、技術革新によるところも大きい。特に自動運転。今でこそドライバー付きじゃないとペケよという規制も将来的にはドライバーなしでもOKとなるのはそう遠くない話。AIで、路上走行を繰り返せばそれだけノウハウも蓄積され、安全性もより高まっていくことでしょう。
特に公共交通機関、今で言えばバスや物流関係では、自動運転化が進んでいくと思います。バスの場合は、毎日決まったルートを走行しますし、予期せぬトラブルにあいにくいし、事前にある程度の想定はできます。
物流トラックにしても、距離は長くなるものの、定期便ともなればこちらもまた同じルート走る訳なので、ある程度の予測がつくでしょう。
モビリティの会社へ変える
米CESにて、トヨタの社長が「車をつくる会社からモビリティの会社へ変えることが私の目標だ」と発表。コンセプトカーのeパレット・コンセプトが紹介されました。
この無人の自動運転カーを使って、ライドシェアはもちろん、移動型のホテル、宅配、飲食店、物販などのサービスを提供するという、まさに移動型社会を体現した商品なんです。
こんな未来が待っている
まず考えられるのは、地方の過疎化対策、移動生活弱者の解決の一助になること間違いないでしょう。今でこそコンビニがほそぼそと移動販売を展開しておりますが、これが全国で当たり前のように、このサービスを受けられます。
宅配カーも、人手不足で苦しむ物流業界にとってはありがたい話。
昔の豆腐屋のようにラッパの音を聞いて宅配カーが街中を巡回。引取荷物があればスマホで近くまで来たことを通知してくれる。
移動型ホテルであれば、大型イベントが開催されて宿泊施設不足となったとしても、この移動カーを数百台に用意して現地に送り込めば宿泊難民を救済できます。
馬鹿でかいホテルを建設することもなくなります。
ある意味、BtoB商品にも見えますが、暮らしが大きく変わり、便利になるという点では社会的意義も大きく、消費者に向けたサービスとも言えます。