カビが生えてしまうんです。
DVDが世に登場した時の衝撃は今でも鮮明に覚えています。これでお部屋の大半を締めるビデオラックは必要ないし、カビ対策で湿気取りをする必要もない。
DVDが我が家に来てから、大量のビデオテープを廃棄。もうあなたとはお別れねと思いました。
磁気テープをなめるな
映像、あるいは音声を保管するメディアとして、テープは長く私達の生活の身近な存在でしたが、それらがデジタルに変わり、CD-R、DVD-R、あるいはHDDへと代わっていきました。今では、HDDが記憶メディアの王者として君臨していますが、この方にも欠点があるようで、代替えがないかと囁かれているのが現状です。
1つ目は保管の安全性。突然のクラッシュに見舞われ、HDD会社に泣きを入れて新品に交換してもらった経験のある僕にとって、ちょいとHDDでの保管には不安がよぎります。
そこで今、注目を浴びているのがカセットテープやビデオテープなどに使用されている磁気テープなのです。こやつの保管性といったらHDDを凌駕するもので、しかも長期保管には最適とのこと。
加えてコストも安いということで再び脚光を浴びています。
風前の灯から復活
そもそも、長期保管の需要が高まったのはここ最近の話。それまではさほど重要視されていませんでしたが、ビッグデータ時代の到来もあり、大量のデータを保管せざるを得なくなりました。
特にデータセンターでは、この保管が深刻で、HDDもあるけれど万が一クラッシュしてしまったら、大惨事になりかねない。
てなわけで、新たに長期保管に優れた箱が必要になってきた所に、磁気テープが再び見直されたのです。
磁気テープの最大手でもある富士フィルムは、世界シェアで6割を占めるという圧倒的な強さを誇ります。
長きにわたり研究開発を続け、今に至る訳ですが、その過程は平坦なものではなく一時は開発ストップ寸前までいったとか。
磁気テープの有用性はわかっていたものの、大容量化の目処が立たない。ならば開発をストップしましょうという期限ギリギリに、大容量化の目処が立ちい、今があるとか。ものすごくドラマを感じますね。
忘れられた技術の復活
将来的には、400テラバイトの記憶容量を持つカセットの実用化を目指している富士フィルム。この件の示唆するところは、もう時代にそぐわない技術だと思っても、使い方を変えれば大きく化ける可能性を有しているということ。
もしかしたら、あのレコードも、違うものに転用したら、再び脚光を浴びるかもです。