ロスト寅さんにはいいかも
山田洋次監督作品で、しかもタイトルは◯◯はつらいよとくれば、寅さんを思い出すのはごく自然
寅さんロスで心にポッカリと空いた、心の穴を埋めてくれるのでは期待しつつ、本作品を観ました。
寅さんみたいな強烈なキャラはいないものの、男はつらいよで感じる、なごみ感、ほのぼの感は伝わってきます。
テーマは結講重い、熟年離婚
3世代の大所帯で、絵に描いたような幸せ家族。嫁小姑でこじれることなく仲良し。夫婦仲も悪くない。
なのに、突然の祖母の熟年離婚が勃発。切り出したのは奥さん。離婚届けもしっかり用意して、後は旦那の判子をもらうのみ。旦那が冗談だろと言っても、全くそんな様子は微塵もなし。
これを聞きつけた3人の子どもたちは大慌てするわけです。
出来た子どもたち
社会的にも話題となっている熟年離婚。そんな時、子どもたちはどうするのでしょうか。そこはパパとママの自由と割り切って離婚を認めるのか、はたまた離婚阻止に動くのか
こちらの家族の場合は、断固阻止。
兄弟一丸となっておばあちゃんの説得に当たりますが、離婚の意思は固く、自分の意思を曲げる雰囲気は一切なし。
とんでもない方向に脱線
何故か、説得の過程で、夫婦間で喧嘩が始まるわ、義理の息子が自分の娘におんぶでだっこで食べさせてもらっているのだとおじいちゃんと義理の息子の間で喧嘩始まり、家族はあらぬ方向に収拾がつかない状態に。
この脱線しちゃう感じが寅さんぽくて、笑えました。
ひと際目立った夏川結衣
この家族の長男と結婚したママ役の夏川結衣。大物俳優が出演している中で、ひときわ印象に残りました。
祖父母に気を使うママ、妻として旦那をたしなめるママ、言うことを聞かない息子たちの叱るママと、いろんな演技を見る中で、どれもピッタリとハマっているのだからすごい。
家族を俯瞰してみるとかなり面白い
山田洋次監督が手がけると、日常の暮らしもエンターテイメント性を帯びるのだとつくづく関心しました。
熟年離婚っておもーいテーマですが、ジメッとした所もなく、その騒動の渦中の人間を面白おかしく見せてくれています。
自分もこのような場面に遭遇した時に、こんな感じで対応してみようかなと思いました。
シリーズ化するの?
この作品、2018年5月にもパート3が上映するとか。
となると、相続問題なんかもテーマとして上がってくるのではないでしょうか。
お金がからむと例え兄弟でもいざこざが多いと聞くし・・・
この作品を観て、自分を見つめ直すにはいい作品だと思います。