トヨタとソフトバンクの提携
世間を驚かせたトヨタとソフトバンクの提携。自動車業界を取り巻く変化を顕著に表しているなと実感しました。
両者の提携はライドシェアが中心。ソフトバンクが自動車業界を先回りするかのように、世界各国のライドシェアに出資してきました。
そこに目をつけたのがトヨタ。トヨタも既にウーバーと提携関係にありますし、将来的には移動サービスにシフトしていくことは明らか。その戦略を推進していくにあたり、ソフトバンクと提携した方が手っ取り早いと思ったのでしょう。
取り残されたKDDI
不思議に思ったのはKDDIとの関係。トヨタは古くからau携帯を販売してきましたし、ましてやKDDIの大株主。
ソフトバンクとの提携でKDDIとの関係がこじれると思われますが、それ以上に生き残りに対して必至なのでしょう。あのトヨタでも。
通信会社と自動車会社の関係
トヨタがKDDIとの関係一方、ドコモは日産、ソフトバンクはホンダと棲み分けがきっちりとなされています。
提携内容は通信分野。これまでエレマティスク分野で協業してきた歴史があります。今後は今話題のテレマティクスサービス分野で、協業を深めていくということになってくるでしょう。
と考えると、ソフトバンクとトヨタの提携はライドシェア分野であり、通信分野はKDDIときっちり棲み分けができるとも言えます。
とは言ってもKDDIにとっては薄利の通信分野ではなく、その先の移動サービスで協業したかったのが本音でしょう。
その先のごちそうのために我慢していたのに、眼の前で取り上げられてしまった感じがしてかわいそうでなりません。
海外ではダイムラーが先行
自動車業界もこれまでの新車を販売するビジネスモデルからの転換が迫られています。
トヨタが移動サービスにシフトしたのも従来のビジネスモデルからの脱却が大いに関係していることは明らか。
さらにトヨタを急がせたのは、海外メーカーの動向。ダイムラーは既に移動サービス事業を始めています。
ライドシェア会社を買収したり、カーシェアリングサービスに出資したりと矢継ぎ早に移動サービスを手がけています。
中国でもアリババと国営自動車メーカーがコネクテッドカー分野で提携。
米フォードとも提携するなど今後さらに拡大する感じがしてなりません。
今回の自動車業界の異業種タッグの件、これが始まりであって、今後はえっ、こんな会社とも提携するの?なんていうニュースが飛び交うかもしれませんね。