どこも赤字の地銀。越境さえ辞さない
超低金利時代になって久しい日本の金融市場。特に割を食ったのが地銀。
どこも赤字で苦しみ、合従連衡により何とかこの危機を乗り越えようとしている所が跡を絶ちません。
そんな中、生き残りをかけて越境に力をいれる地銀も現れ始めました。
例えば熊本の肥後銀行がお隣の福岡県に進出したり、鹿児島銀行が沖縄県に進出したりと。
進出を受けた地銀としてはたまったものではない。特に沖縄地銀3行の悲痛の叫びといったら・・・
魅力的に映る沖縄市場
銀行融資として手っ取り早く業績を挙げられるのが不動産融資
沖縄では訪日外国人の旺盛な需要などもあり、リゾートホテルの建設真っ最中。
住宅ローンもこれまた勢いがあり、まさに我が世の春を謳歌している最中の鹿児島銀行来襲。
低金利を武器に徐々に沖縄市場への侵食が始まっています。
鹿児島銀行上陸でざわつく
県外者ということで、不利な状況からスタートしたものの順調に融資実績を挙げている鹿児島銀行。
進出は2015年。まずは住宅ローンを中心に融資を始め、2017年以降はリゾートホテル等の融資にも力を入れ始め融資残高は600億円超え。2020年の1000億円突破も現実味を帯びてきました。
この強さの源泉は貸し出し金利の安さ。
これには沖縄の地銀もお手上げ状態おちった感じです。
金利1%以下って。そりゃ無理な話
例えば貸し出し金利を比較すると、琉球銀行が1.59%、沖縄銀行が1.56%、沖縄海邦銀が2.00%に対し、鹿児島銀行のそれは1.08%。
そもそも銀行の規模が違うだけに、沖縄市場の平均的な相場よりもかなり低めな金利設定ができるとか。
となると、不動産関連の融資は鹿児島銀行へとなると、話はそう簡単ではないようで・・・
とは言え、慎重な鹿児島銀行
沖縄と鹿児島との歴史的な因縁があるようで、1600年大に薩摩藩が当時明と主従関係にあった琉球王国を侵略し、支配下に置いたとのこと。
これを琉球侵攻と呼んでおり、この度の鹿児島銀行進出もそのような捉え方をされるのではと危惧しています。
ということもあってか、鹿児島銀行では強引な営業はせずに、とにかく沖縄県民の信頼を得ることに専念。
当て馬でも言いから、とりあえず説明だけでもさせてくださいと、いたく低姿勢
加えて、鹿児島銀行の文化として、リスクの高い不動産融資を控えてきた歴史もあり、そう簡単にアクセルを踏み込めない事情も
今後の動向を見守っていきたいと思います。